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慶大に力負け。逆襲を誓う2020ドラフト候補スラッガー、東海大札幌キャンパスの主砲・赤尾光祐【明治神宮大会】

 

東海大札幌キャンパスの3年生スラッガー・赤尾は明治神宮大会で収穫と課題を手にした


■明治神宮大会「2回戦」
慶大9対0東海大札幌キャンパス=11月17日(神宮)

「KEIO」のグレーのユニフォームを見て、より一層、気合が入った。ところが、闘争心が空回りしてしまったようだ。

 東海大札幌キャンパスの主砲・赤尾光祐(3年・東海大相模高)は3年前の夏を思い出した。神奈川大会準々決勝で慶應義塾高に屈辱の8回コールド敗退(2対11)。

「ふだんは高校時代を思い出したりすることはないんですが、同じ準々決勝(2回戦)で意識があった。慶應には正木(智也、2年)ら当時のメンバーもいたので、リベンジの気持ちで挑んだんですが……」

 東海大札幌キャンパスは慶大との明治神宮大会2回戦(11月17日)で0対9の7回コールド敗退を喫した。四番・赤尾は3打数無安打。大商大との1回戦ではドラフト指名を受けた右腕・大西広樹ヤクルト4位)、左腕・橋本侑樹中日2位)から適時打を放ち、チーム全2打点を挙げたが、この日は「力負けです」と、完敗を認めるしかなかった。

「前回、2安打しましたが、インコースの真っすぐに対応できなかった。ゲームの中で修正できたら、違う結果が出た……。1年時も立教大学に準決勝で負け、今回も東京六大学との差を痛感しました。残り1年。どこまで縮められるか。また、ここに戻ってきて、東京六大学、東都大学の代表校に挑みたい」

 181センチ90キロと堂々とした体格。札幌学生リーグで3年秋までに11本塁打を記録している。秋のシーズンはこの日の敗戦で終わったが、まだ、アピールの場は残されている。11月30日から3日間、松山で行われる大学日本代表候補合宿に招集された。赤尾にとって昨年12月、今年6月に次いで3度目の合宿の機会。最終学年では、自身初の侍ジャパン大学代表入りを目指している。

「大学に入ってからずっと、大学日本代表の四番を目標にしてきました。四番を背負ったバッターは高い確率で(ドラフトで)上位指名されている。そこを目標にしています」

 赤尾には2人の同級生ライバルがいる。中大・牧秀悟(3年・松本第一高)は今年7月の日米大学選手権で四番を務め、3大会ぶり19度目の優勝に貢献。また、2年時に代表入りした左の強打者である近大・佐藤輝明(3年・仁川学院高)からも、衝撃を受けたという。

「牧のミート力を吸収したいですし、佐藤は自分よりも飛ばすバッターを初めてみた。ボールをとらえる技術、足も速い。負けていられません」

 6月の大学日本代表合宿の段階で、あるNPBスカウトは「あのスイングスピードは魅力的」と高評価。右の大砲として2020年、ドラフト戦線を熱くしそうである。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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