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セ・リーグ6球団の最後のMVPは誰?

 

11月26日に開催される「NPB AWARDS 2019 supported by リポビタンD」で2019シーズンのMVPが発表される。令和初の栄誉に輝くのは誰か、非常に注目されるが、ここではセ・リーグ6球団で最後のMVPに選ばれた選手を見ていこう。

読売ジャイアンツ



 新人年の2013年に13勝を挙げ、2年目ながら初めての開幕投手を務めた2014年に菅野智之が受賞した。ただ、すべてがうまくいったシーズンではなかった。8月には右手中指の腱の炎症で、プロ入り後、初めて出場選手登録抹消し、復帰は9月までずれ込んだ。最終的には2年連続で2ケタ勝利し(12勝5敗)、防御率2.33で最優秀防御率を獲得、自身2度目となるチームのリーグ優勝に貢献したが、右ヒジのじん帯損傷もあり、ポストシーズンの登板は叶わず。チームも日本シリーズへの進出を逃した。それでもリーグ優勝に貢献したことが評価され、セ・リーグMVPを受賞した。

横浜DeNAベイスターズ


横浜・佐々木主浩(左)。右は権藤博監督


 ベイスターズ最後のシーズンMVP受賞者は、前回リーグ優勝を飾った21年前にさかのぼる。1998年、38年ぶりの優勝を球団にもたらした絶対的守護神、佐々木主浩だ。力強い真っすぐと、宝刀フォークボールでこの年は45セーブ、防御率0.64という驚異的な数字で優勝、日本一の立役者となった。相手チームにとっては背番号「22」を背負う“大魔神”がマウンドに上がった瞬間、ゲームセットを宣告されたも同然だった。MVPのみならず、最優秀投手、最優秀救援投手、ベストナイン、ファイアマン、プレーヤー・オブ・イヤー、正力松太郎賞などタイトルを総なめ。“ハマの大魔神”は流行語大賞にも選ばれた。

阪神タイガース



 2005年、両ふくらはぎと内転筋の強い張りに耐え、食事もできないほどの胃腸炎と闘いながら、37歳の金本知憲は打撃3部門でキャリアハイの数字を残し、チームを2年ぶりの優勝へと導いた。打率.327、40本塁打、125打点と大活躍。しかもリーグ最多の98四球を選んでいる。このときは後ろを打つ五番・今岡誠が打点王を獲得しており「右投手のときは自分が歩かされるかもしれない。そのときはお前に任せるから、頼む」と信頼を置いて四番の打席に立っていた。リーグ優勝へチームをけん引し、圧倒的な存在感を放った男のMVPは必然だった。

広島カープ


広島丸佳浩(現・巨人)


 広島では、2017、2018年と2年連続MVPに輝いた丸佳浩(現巨人)がもっとも最近の受賞者だ。リーグ優勝に貢献し、2017年は最多安打とともに、2018年は最高出塁率とともに受賞している。いまや遠い昔のようにも思えるが、一昨年と昨年の話だ。もちろんそれだけが要因ではないが、丸を失ったとたんにカープの連覇が途切れ、4位に転落した事実が、その存在がいかに大きかったかを表しているといえよう。ただ、「丸さんの話を聞いて出塁率にもこだわるようになった」という鈴木誠也が今季、最高出塁率のタイトルを獲得するなど、丸がカープに残した財産も多い。近いうちに、その財産を生かした新たなMVP選手を、チームから生み出したいものだ。

中日ドラゴンズ



 球団史上唯一の連覇を遂げた2011年、獅子奮迅の働きをした浅尾拓也が選ばれた。この年、浅尾はセットアッパーとして79試合に登板し、失点はわずか5。7勝2敗10セーブ45ホールドで防御率0.41と、圧倒的な成績を残した。さらに、本来はクローザーである岩瀬仁紀の不調もあり、回またぎや最終回を任されることも。リーグ優勝を決めた10月18日の横浜戦(横浜)は延長戦となり、2回1/3を無失点で10回引き分けに持ち込み、胴上げ投手となっている。1998年にクローザーの佐々木主浩(横浜)がMVPとなっているが、中継ぎ投手のMVP受賞は、浅尾が初だった。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト山田哲人(左。右は雄平


 ヤクルトを14年ぶりのリーグ優勝に導いた2015年、打率.329、38本塁打、100打点、34盗塁で、史上9人目、球団初のトリプルスリーに輝いた山田哲人。本塁打、盗塁に加えて出塁率.416で3つの打撃タイトルを獲得。前年に193安打で初タイトルを手にして、大ブレークを果たした右の天才打者が、さらなる高みに到達した。MVP選出に異論の余地はなし。山田はその後、16、18年と計3度トリプルスリーを達成した。今季は打率3割を逃すも、史上初となる自身4度目の30本塁打&30盗塁を成功させている。

写真=BBM
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