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「ポスト・菊池涼介」に挙がる2020年のドラフト候補は大学日本代表の「牛若丸」

 

九産大・児玉は遊撃において、鉄壁の守備力を誇る。アウトにできる打球を、確実にアウトにする。バッテリーとしては、これほど頼りになるプレーヤーもいない


 侍ジャパントップチームは「プレミア12」で初優勝。攻守にわたり、貴重な働きを見せたのが広島菊池涼介だ。今さら言うまでもなく小久保ジャパン、稲葉ジャパンを通じて欠かせないプレーヤーであった。

 2020年のドラフト候補において「ポスト・菊池」がいる。

 九産大の遊撃手・児玉亮涼(3年・文徳高)だ。165センチ、63キロ。「令和の牛若丸」を発掘したのは2018、19年と大学日本代表の監督を務めた生田勉氏(亜大監督)である。練習では決して目立たないものの、試合でこそ、本領を発揮するタイプだ。

 鉄壁の守備力。派手さはないが、堅実かつ正確なプレーを一貫する。右打席の打撃はやや非力ながらも、一握り以上短く持ったバットをコンパクトに振る。手元で動く変則の外国人投手に対しても、抜群のミート力で食らいついていける。得意の右打ちは、教科書のような反対方向の打球。バッテリーを中心とした守り、また、小技を駆使する攻撃を真摯に体現してくれるのが、児玉なのだ。

 大げさではなく、生田監督の“傑作品”であった。大学2年時から、児玉を大学日本代表に抜てき。地味ながらも、チームに欠かせない存在である。役目を理解し、侍ジャパンにおける自身の居場所をきっちりと築いてきた。

 大学日本代表監督は2年任期。11月13日、2020、21年のチームを率いる新指揮官に、九産大・大久保哲也監督の就任が発表された。同30日から3日間、松山・坊っちゃんスタジアムでの代表候補合宿が「初仕事」となる。すでに常連メンバーである児玉は、同合宿の50人に招集された。自チームの監督が日の丸を率いるだけに、最終学年はリーダーとしての役割が求められる。

 ニッポンが目指す「野球」を、背伸びをせずに淡々とこなす児玉。ベンチとしては、これほど動かしやすい選手もいない。菊池涼介の後継者として、目が離せない仕事人だ。

文=岡本朋祐 写真=宮原和也
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