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ベールを脱いだ「群馬のダルビッシュ」。健大高崎高の191センチ右腕・橋本拳汰の高い潜在能力

 

現状は控え投手の立場


191センチ85キロ。健大高崎高の大型右腕・橋本は潜在能力の高さが注目されている


 大安中時代に在籍した桑員ボーイズ(三重)では「東海のダルビッシュ」と呼ばれた。

 健大高崎高(群馬)の191センチ右腕・橋本拳汰だ。確かにスケール感を感じる。中京大中京高(愛知)との明治神宮大会決勝(11月20日)では先発も、6回4失点で敗戦投手となった。チームは3対4で逆転負けを喫し、準優勝に終わっている。相手校には桑員ボーイズに、ボーイズ日本代表の「NOMOジャパン」のチームメートがいた。

 なぜ、地元・東海から離れ、北関東の高校へ進学したのか? 実際、中京大中京高からも勧誘があったという。

「健大のほうが、甲子園に行けるかと思ったからです」

 昨年4月、高校入学後は10月末に肩や腕にしびれが生じる「胸郭出口症候群」を発症し、12月に手術を受けた。3月から投球練習を再開。リハビリ期間に下半身強化に励んで、球速は10キロ伸び、142キロに達した。

 今秋は山梨学院高との関東大会決勝を6安打完封勝利で、初優勝に貢献。公式戦初先発でのシャットアウト劇だった。そして「秋日本一」をかけた明治神宮大会決勝でも先発マウンドを託され、健大高崎高・青柳博文監督の期待の大きさを感じる。

「任されたからには、自分の仕事をしたかったですが……。自分の力はまだまだ。この冬場、制球力とメンタルを強化していきたい」

 関東大会は背番号11、明治神宮大会は10。抜群のポテンシャルではあるが現状、控え投手の立場にある。チームには182センチの左腕エース・下慎之助(2年)がいる。

 下は今大会、全3勝をマーク。倉敷商高(岡山)との1回戦、白樺学園高(北海道)との準決勝で完投。明豊高(大分)との準々決勝では、タイブレーク(無死一、二塁からの継続打順)となる延長10回表から救援し無失点に抑え、その裏のサヨナラ勝ちにつなげた。

「背番号1を着けたいですか?」

 橋本は控えめに語る。

「まだ、そこまでの実力ではない。欲しいですが……。春までに真っすぐを磨き、最低でも145キロは出せるようにしたいです」

取材陣の前で……


 中京大中京高との決勝後の取材。神宮の記者席裏のスペースは、大勢の報道陣でごった返していた。記者による囲み取材の合間に、橋本のテレビインタビューが入った。

 約3分の取材が終わると、苦笑いをしながら、記者たちが待つ場所へと戻ってきた。そこで開口一番、何を言い出すのかと思えば……。

「テレビ(取材)、好きじゃないんです……(汗)。練習しないと……。下、(主将で捕手の)戸丸(秦吾)とかに聞かないといけませんね」

 言葉数は決して多いほうではないが、取材陣の前でこうしたジョークが言える高校球児も、なかなかいない。健大高崎高は関東大会優勝校であり、来春のセンバツ出場は当確である。今後、各メディアから取材を受ける機会は、確実に増えることが予想される。

 甲子園の試合当日。室内練習場で行われる10分間の試合前取材は、それこそ、20人近い記者が選手を取り囲む。ベールを脱いだ「群馬のダルビッシュ」。この一冬で投手としてのレベルアップはもちろんのこと、言葉力の進化も期待されるところだ。

文=岡本朋祐 写真=菅原淳

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週刊ベースボール編集部

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