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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

荒波翔「全力疾走」で駆け抜けた現役生活

 

引退セレモニーでは仲間たちの手で胴上げされた


 涙の引退スピーチが終わると背番号「4」は、後輩たちの手で胴上げされ、横須賀スタジアムの空を舞った。

 11月24日、DeNAファンフェスティバルで行われた荒波翔の引退セレモニーは、幼少期からを振り返った動画が流されたあと、集まった1万人のファンの前で荒波は、「ファンの皆さん、仲間たちに支えられて幸せな野球人生でした」と言葉を詰まらせながらあいさつをした。

 入団2年目の2012年から2年連続で外野手のゴールデングラブ賞を受賞して輝きを放ったが、それ以降はケガなどもあり苦しい野球人生だったと言える。ここ数年は、ファームでの暮らしが続き、我慢のシーズンが続いた。

 そうした中でも荒波は、自身のテーマである「全力疾走」だけは怠ることはなかった。 入団1年目に二軍監督である白井一幸から叩き込まれた姿勢だ。「ルーキーイヤーに白井さんからプロでそれを教えるのかな、という部分をたくさん学びました。全力疾走であり、気持ちの部分。それが僕の原点です」。好守にわたるスピード感あふれる魅力的なプレーは、野球の原点でもある「全力疾走」に支えられていた。
 
 今後はベイスターズの野球スクールで子どもたちの指導にあたりながら、独立リーグであるBCLに新規参入する「神奈川フューチャードリームス」でアドバイザーを務める。横浜で生まれ、横浜で育ち、横浜で夢を叶えた男は、地元に恩返しをしながら野球界の発展に貢献する決意だ。

文=滝川和臣 写真=大賀章好
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