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イチローも受賞した「ビッグホープ賞」を獲得。ソフトバンク・田城飛翔に対する新井宏昌二軍打撃コーチの評価は?

 

ウエスタン・リーグの『ビッグホープ賞』に輝いた田城


 未来を担うであろう若手有望株が並んだ。11月26日に都内のホテルで『NPB AWARDS 2019』が行われ、第1部ではファームで各賞を受賞した選手ほかが表彰された。小社選定の『ビッグホープ賞』も選出。1992年には1年目のオリックスイチロー(当時の登録名は鈴木一朗)も受賞したが、今季ウエスタン・リーグではソフトバンク田城飛翔外野手が同賞に輝いた。

「タイトルは獲れませんでしたが、賞をいただけたことは自信になります」

 育成3年目の田城は、過去2年は三軍が主戦場。二軍出場は13試合(2017年が12試合、18年は1試合)で安打はわずか2だった。しかし、育成選手にとって一つの区切りを迎える3年目の今季、「がむしゃらにやるだけ」。勝負の年と位置付けると、打棒を磨き、二軍で112試合に出場。ウエスタン最多の108安打をマークし、同2位の打率.307、同4位の45打点を挙げた。得点圏打率は.369と勝負強さも発揮している。

 また、7月末の期限までの支配下登録が叶わずとも「気持ち的には落ちたが、やる気は落ちなかった」。先を見据えてシーズンを駆け抜けたことも高く評価された。

今季はウエスタン最多の108安打をマークするなど打撃開眼


 その田城の打撃開眼に一役買ったのが、19年から二軍打撃コーチに就任した新井宏昌コーチだ。イチロー(オリックス時代)をはじめ、特に左打者育成に長けた名指導者と出会い、田城は打撃に対する意識が「180度変わった」という。

 では、新井コーチは今季の田城の成長をどう見たのか。

「だんだんとバットがしっかり振り切れるようになりました」。これまで打球に力負けしていることが多かったと言うが、しっかり振ることでコンタクト力がアップ。安打はもちろん、長打も増え、追い込まれてからも粘れるようにもなったという。それとともに評価したのが「強い気持ち」だ。夏場、調子を落とす中でも、首位打者を目指して、打率3割を目指して、最多安打を目指して、踏ん張り、結果を残したことを新井コーチは称えた。

 来季、そして支配下に向けては、まだまだ足りない部分はある。新井コーチも「相手投手に崩されないようになる体幹をしっかり鍛える必要がある。守備、走塁も高い意識を持って」と課題を口にする。ただ、今季見せた強い気持ちは必ずや“未来”につながるはずだ。伸びしろ十分な若鷹から、これからも目が離せない。

文=菅原梨恵 写真=BBM
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