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パ・リーグ6球団 来季復活が期待される選手は?

 

福岡ソフトバンクホークス



 勝負と位置付けた年に味わった苦しみ。ふとこぼした「誰にも会いたくない時期もあった」は上林誠知の本心だろう。春季キャンプから体を痛め、4月17日のロッテ戦(ZOZOマリン)には右手甲に死球を受けた。後に右手薬指の剥離骨折が発覚し、約1カ月の離脱を経て一軍に戻ってはきたが、骨折の影響からか打撃の調子は上がらず。優勝争い、CS、日本シリーズを戦うチームの中に背番号51の姿はなかった。ただ、いつまでもふさぎ込んではいられない。11月は秋季キャンプには行かず、右手の回復を優先。リハビリに時間を費やした。“無理は禁物”は今季、身をもって学んだことだ。レギュラー奪回のため、はやる気持ちを抑えてトレーニングに励む。と同時に右手に負担のかからない打撃フォームも模索中。来季は新たな形での安打量産に意欲を燃やす。

埼玉西武ライオンズ



 2014年5月に西武の一員となったメヒア。シーズン途中の加入ながら34本塁打を放ちタイトルを獲得し、15年は27本、16年は35本のアーチを描いた。しかし、17年から3年総額15億円の大型契約を結ぶも、山川穂高の台頭があり出番が減少。18年は82試合、19年も75試合の出場に終わった。今季は打率.211、6本塁打、31打点。課題は明らかだ。左投手には打率.277(47打数13安打、4本塁打)だが、右投手には.173(81打数14安打、2本塁打)。右投手への対応力を上げたい。3年契約が今季限りで切れるが大幅減俸を受け入れて来季の残留が濃厚だが、メヒアが復活すれば強力打線は健在になる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 プロ2年目の昨季、一番打者に定着して18本塁打、21盗塁の活躍を見せたが、5月に左手骨折が判明して、約2カ月の離脱を余儀なくされた。スイッチヒッターだが復帰後はしばらく右打席を封印。結局、最後まで調子は上がらず、前年の105試合から59試合の出場と、その数を大きく減らしてしまった。それでも、左右打席で見せるパンチ力、守備と走塁で見せるスピードは大きな武器。コンディションを万全にして、雪辱のシーズンに向かいたい。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・角中勝也


 2016年に打率.339で2度目の首位打者を獲って以降、毎年のようにケガに見舞われ、不本意なシーズンが続いている。今季も期する思いを胸に開幕を迎えたが、通算1000安打は達成したものの開幕からバットは湿ったまま。さらに交流戦を前にして肉離れで約1カ月の離脱も余儀なくされた。復帰してからは徐々に調子を取り戻し、8月は月間打率.345と意地は見せたが、終わってみれば打率.258とレギュラー格となってからは自己最低の成績に終わってしまった。来季こそは悪球打ちとも思えるほどの広いヒッティングゾーンと圧倒的なバットコントロールを取り戻し、再び首位打者争いに加わりたい。

北海道日本ハムファイターズ



 オフに大きな決断を下した男が、新たな気持ちでもう一度ポジションを奪いにいく。悩んだ末にFA権を行使せずに日本ハム残留を決めた中島卓也。ファン感謝デーでも「引き続き来年シーズンも選手会長をやらしていただくことになりました」と報告し、スタンドからの大歓声を浴びた。プロ11年目の2019年は打撃不振(打率.220)に陥り、後半戦は伸び盛りの石井一成平沼翔太に遊撃手のスタメンを譲ることも多く、本人的にも歯がゆく苦しい1年となった。それだけに2020年シーズンに懸ける思いは並々ならぬものがある。正遊撃手の座は誰にも渡さない──。栗山野球のキーパーソンの1人でもある中島卓の粘りの打撃と出塁率が上がれば、チームの得点力もアップすることは間違いない。

オリックス・バファローズ


オリックス・T-岡田


 眠れる大砲が目覚めるか。不振に陥った今季は、20試合出場にとどまり、打率.120で本塁打は、わずか1本。復活を期すT-岡田は、オフにバットも試行錯誤し、これまでのホワイトアッシュからメープルへ材質を変え、長さも34インチから33.5に、グリップエンドの形状もタイカッブに変えた。11月から12月末までプエルトリコでのウインター・リーグに参加し、武者修行に励んで巻き返しを期す。吉田正尚との左の和製大砲コンビを形成できれば、間違いなく打線は強力になるだけに、復活を期待せずにはいられない。

写真=BBM
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