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松坂大輔が着ける西武の背番号16、過去にどんな選手が着けていた?

 

 2019年12月3日、西武中日を退団していた松坂大輔の獲得を発表した。2006年オフにメジャーに移籍してから14年ぶりの古巣復帰となり、背番号はかつて所属していたときの「18」ではなく、「16」を背負うことになった。では、西武の背番号16は、過去にどんな選手が背負っていたのかご存じだろうか。

黎明期はチーム初優勝の原動力が背負った


入団会見で背番号16のユニフォーム姿を披露した松坂


 前身チームを含め、西武の歴史上最初に背番号16を背負ったのは北川桂太郎だ。北川は1946年にセネタースに入団し、1950年のリーグ再編によって誕生した西鉄クリッパース(西武の前身)に加入した選手。しかしシーズン中に毎日の今久留主淳小田野柏との交換トレードで放出され、残りのシーズンは今久留主が16番を着けることになった。

 クリッパースからライオンズと球団名が変更となった1951年は、新加入の大津守が今久留主から16番を受け継いだ。大津は1954年に18勝11敗の成績でチームのリーグ初優勝に貢献し、1955年も21勝とチームの主力として活躍。1958年に近鉄に移籍するまで16番を背負った。大津の次は東北高校から入団した佐藤好夫に16番が引き継がれたが、2年間で登板はわずか1試合に終わっている。

1960年代は野手が16番を着けたことも


 1960年からは、アンダースローの名手・安藤敏雄が引退する1965年まで6年間16番を背負った。1966年はドラフト1位で入団した浜村健史、1968年は新人の柳田俊郎が16番を受け継いだが、実はこの2人は野手。「16」は投手が背負う番号というイメージが強いが、野手が着けたこともあるのだ。

 1969年、大洋から移籍してきた投手の羽里功が16番を担うが、残念ながら1勝も挙げることができずこのシーズンをもって引退した。

 引退した羽里の次は新人の三輪悟が16番を受け継ぐ。当時の西鉄は、選手が八百長に関与したとされる、いわゆる「黒い霧事件」の影響で主力投手を失っていたが、三輪や加入3年目の東尾修が大車輪の活躍でチームを支えた。

 73年に西鉄は太平洋クラブとなったが三輪は1974年オフに広島松林茂(太平洋クラブは他に米山哲夫、広島は西沢正次)とのトレードで移籍。代わりに松林に16番が与えられた。その松林も1976年オフに中日にトレードとなり、次はそのトレードで中日から加入した竹田和史が16番を引き継ぎ、1978年まで背負った。

1979年以降はチームを代表する大投手たちが16番を背負う


西武・涌井秀章


 1979年から西武となり、前年オフにドラフト外で入団した松沼雅之に16番が与えられた。松沼は1980年から5年連続2ケタ勝利を挙げ、同じくドラフト外で入団した兄の博久と共に長きにわたり西武の投手陣を支えた。16番を背負った期間は1979年から引退する1989年までの11年間で、これは歴代の16番を背負った選手の中で2番目に長い。

 松沼雅之の11年を超える期間、背番号16を背負い続けたのが、1990年に入団した潮崎哲也だ。潮崎はサイドスローから放たれる球威抜群のストレートと、打者の手前で鋭く曲がり落ちるシンカーを武器に活躍。2004年に引退するまで15年間、16番を背負った。

 松沼→潮崎と偉大な先人たちが背負ってきた16番を受け継いだのは、現在はロッテに所属している涌井秀章。2005年ドラフト1巡目で横浜高から入団した涌井は、2009年に18番に変更するまで4年間16番を背負い、2007年には最多勝のタイトルを獲得している。

 2009年は石井一久が16番を着用。2008年にFAで西武に入団した際は、涌井が16を着けていたため、16を反対にした「61」を選んでいたが、涌井が18に変更になったことで16に変えている。やはりヤクルト時代から長く背負ってきた16に愛着があったようで、引退する2013年まで16番を背負いマウンドに立った。

 石井の次は菊池雄星が背番号16を継承。菊池は入団以降17番を着けていたが、2013年オフに菊池と同じ左投手だった石井の後を受け継ぐという意味で、チームが16への変更を打診。菊池もこれを受け入れたという。

 菊池が2019年にマリナーズに移籍して以降は16番は空き番号となり、今回古巣復帰の松坂が背負うことになった。2019年は難しいシーズンを過ごした松坂だが、果たしてどこまで調子を取り戻し、チームに貢献できるのか。背番号16の新しい挑戦に期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM

●西武の歴代の背番号16

※年数は16番を背負っていた時期

・北川桂太郎(1950年)
・今久留主淳(1950年)
・大津守(1951〜1957年)
・佐藤好夫(1958〜1959年)
・安藤敏雄(1960〜1965年)
・浜村健史(1966〜1967年)
・柳田俊郎(1968年)
・羽里功(1969年)
・三輪悟(1970〜1974年)
・松林茂(1975〜1976年)
・竹田和史(1977〜1978年)
・松沼雅之(1979〜1989年)
・潮崎哲也(1990〜2004年)
・涌井秀章(2005〜2008年)
・石井一久(2009〜2013年)
・菊池雄星(2014〜2018年)
・松坂大輔(2020年〜)
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