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ロッテのドラ1・佐々木朗希に“マリン風”が追い風となる!?

 

佐々木はZOZOマリンのマウンドでシャドーピッチングを披露した


 ハードスケジュールの2日間だった。最速163キロ右腕のドラ1・佐々木朗希を含めたロッテの新人7選手だ。12月9日は都内のロッテ本社で行われた新入団選手発表会で初お披露目を果たすと、すぐに千葉市内のホテルへ移動。合間に各種の撮影をこなしながら夜はファン向けの発表会に出席して初めてファンと触れ合い、最後はロッテ名物のコール&レスポンス「We Are」も体験した。

 翌10日は午前からロッテ浦和工場の工場見学、室内練習場やクラブハウスも含めたロッテ浦和球場に1月から入寮する選手寮を見て回ると、メディカルチェックを経てZOZOマリンに入り、ホームとなるスタジアム施設を見学した。

 慣れない体験の連続に、さすがに佐々木も最後は疲れたような表情を浮かべていたが、久びさとなったZOZOマリンのマウンドの上では笑顔を見せた。小学6年生の2013年、岩手沿岸被災地域の学童のための大会で決勝に進み、当時はQVCマリンだったマウンドに立ったことがある。それ以来、約6年ぶりとなる“ホーム”のマウンドで、シャドーピッチングを披露した。

「初めてプロの球場でプレーさせてもらい、とても広くて驚いた、と“思います”」と、実は当時の記憶があいまいなことを明かし、「これから思い出を作っていきたい」と口にしたが、そのためにはこの特殊な球場を自分の“庭”としていかなければならないだろう。

 幸い、この日は夜になっても穏やかな天気で、名物の“マリン風”を体感することはなかった。海沿いであるがゆえに、マリンはときに風速15メートルを優に超える。これほどバックスクリーンの風速計に視線が集まるスタジアムもないだろう。

 投手にとっては吹き下ろされた風がバックネットに当たってはね返り、強烈な向かい風となる。その風が佐々木の最速163キロのストレートにどんな影響を与えるかは分からないが、フィニッシュブローのフォークがさらなる魔球となる“追い風”にもなるはずだ。1995年、当時オリックス野田浩司が自慢のフォークを駆使して1試合19奪三振の日本新記録を達成した舞台が、やはりマリンだった。

 佐々木はマリンのマウンドについて「投げてみないと分からない」、風についても「やりながら確かめていきたい」と冷静に語ったが、三振については「まず抑えることが前提ですけど、獲れるときにはしっかり獲ろうと思う」と力を込めた。

 プロとしての道を歩み出した黄金ルーキーは、マリンのマウンドでどんな“第一歩”を刻むことになるのだろうか。

文=杉浦多夢 写真=BBM
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