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松坂大輔は速い球を投げられる変化球投手だった。155キロを体感した打者もスライダーに衝撃

 

14年ぶりに西武に復帰し、入団会見を行った松坂


 12月11日、都内ホテルで松坂大輔の西武復帰会見が行われた。数々の印象深い話が松坂の口から飛び出したが、そのうちの一つが以下だ。

「技巧派とか、速球派とか、いろいろありますけど、僕は自分を速球派だと思ったことはない。昔から変化球が得意。昔は速い球を投げられる変化球投手だと思っていました」

 現在のボールを動かすスタイルは技巧派と呼ばれるが――という問いに対しての返答だったが、これを聞いてかつて片岡篤史が語っていた話を思い出した。

 1999年4月7日、日本ハム戦(東京ドーム)。松坂のプロデビュー戦で初回、二死から打席に入った片岡は155キロのストレートで空振り三振に仕留められていた。のちに片岡は、このシーンに関して次のように回想している。

「最初の対戦では来ると分かっていながら真っすぐで三振に取られましたが、それよりもスライダー。『パンッ!』と光って、『グイッ!』と曲がる。松坂のスライダーはこう表現したい。三振する前の2ボール1ストライクからのスライダーがそうでした。それまで最高だと思っていた赤堀(元之、元近鉄)のスライダーに匹敵する球を、高校を出たばかりの投手が投げた。こいつはどこまでいくんだろう、と思わされました」

 ストレートよりも、スライダーに衝撃を受けたと言うのだ。

 松坂が現状、自信のあるボールはカットボールだという。

渡辺久信GMに今のパ・リーグの中でボールを動かすスタイルは有効だという話をもらっています。僕自身はどこまでスキルアップできるか分からないですが、それをメーンにどう打ち取れるか、やっていきたい」

 来季で40歳。道は険しいかもしれないが、もがく平成の怪物に光あれ−−。

文=小林光男 写真=内田孝治
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