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ソフトバンク・高橋純平が飛躍につなげた2018年オフのプエルトリコでの“発見”

 

プエルトリコに行ったことで人間として成長したと語る高橋純


 プロ野球の各球団はオフのこの時期、若手を中心にウインター・リーグに選手を派遣している。場所は台湾やオーストラリア、メキシコなどさまざま。派遣された選手たちは来季に向けて“何か”をつかもうと必死にプレーしている。

 昨オフ、プエルトリコのウインター・リーグに派遣され、そこでの経験を今季につなげた1人が、ソフトバンク高橋純平だ。2016年ドラフト1位で入団した右腕は、過去3年は一軍登板わずか1試合のみにとどまっていた。しかし今季は45試合に登板して3勝(2敗)17ホールド、防御率2.65。中継ぎとして飛躍を遂げた。

 しかし、高橋純は決してプエルトリコで好結果を残して手応えをつかみ、今季の飛躍につなげたわけではない。昨オフのプエルトリコのウインター・リーグについて、高橋純本人に尋ねると「結果はひどかったです。たくさん打たれましたし、結局帰ってくるまで環境に順応することもできなかったんで」と苦笑いを浮かべた。

 では、何が一番の発見だったのか。「人間性のところです。僕は今まで人に聞きたかったり話したいことがあっても、『いいや』と自分の中だけで消化して終わらせてしまうことも多かった。それがプエルトリコではみんな、常に明るくて初対面の人でも友達かのように積極的なんです。これは失礼のない範囲でちゃんと見習わなきゃなと。そこで人間関係の部分をしっかり、カラを破っていこうと思いましたね」。

“積極的なコミュニケーション”の重要性を感じた高橋純は今年、これまで以上にチーム内で“聞くこと”“話すこと”を増やしたという。気になることがあればコーチや先輩たちに質問する。「そこで得たことで『これいいな』と思うことがあったら、後輩ともそれについて話ができるようにもなります」。自分の中だけにとどめず、チームメートとも共有。今年はグラウンドを離れたところでも、たくさん先輩たちと食事にも行き、「本当に勉強になるところがたくさんありました」とうれしそうに振り返った。

 学びの場は決してグラウンドの中だけではない。日本にいたのでは味わえない生活。そのすべてでいろいろなことを感じ、自分の糧とすることが大事なのだ。

 今オフ、プエルトリコのウインター・リーグにはソフトバンクからは田中正義杉山一樹三森大貴が派遣されている。彼らは異国の地でどんな経験をし、何を感じ取ってくるのか。そして、それをどのように来季につなげるか、楽しみだ。

文=菅原梨恵 写真=田中慎一郎
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