昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 捕まった犯人は「これでゲームセット」とニヤリ
今回は『1970年2月2日号』。定価は70円。
阪神に
村山実兼任監督が就任し、
吉田義男が追い出されるように退団。これに怒った吉田ファン(らしき者たち)が球団事務所、球団社長宅だけでなく、村山の自宅にも脅迫じみた電話をかけていた。
一人、執拗な男がいて、いつも、
「オレは姫路のアライという男だ。先輩の吉田を差し置いて監督になるとは何事だ」
と言っていたという。さらにこのアライという男、村山に脅迫状まで送り始めた。
最初は球団にも黙っていた村山だが、警察に相談するしかないと思ったのは1月9日の電話だった。
「村山か、決闘場所は俺が決めるからいうことを聞け。俺はお前と対決する。逃げたら子どもを狙う」
というものだった。
球団に報告すると、すでにこの男のことは知っていた。球団事務所に押しかけ、
「オレはアライだ。吉田をどうするのか。社長と村山を殺し、子どもも殺してやる」
と言っていたらしい。
その後、警察に届けると、すぐ逮捕された。過去に傷害や脅迫で何度もつかまりながら精神鑑定の結果、釈放されていたという。
つかまったときアライは、
「これでゲームセット」
と言ってニヤリと笑ったらしい。
背番号12だった
巨人・
柴田勲が背番号7になった。
「背番号を変えただけで、別にどうなるもんじゃないけど、ひとつの転機ですからね。心を入れ替えて、一つ頑張ります」
また、カープではヘッドコーチの
関根潤三に続き、
広岡達朗のコーチ就任を発表した。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM