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来季の巻き返しが期待される「今季不調だった選手」は?

 

 そのシーズンに目覚ましい活躍をしたとしても、次の年も同じように結果が残せるかというと……そう簡単ではない。予想外の不調やケガで、期待を大きく下回る成績で終える可能性もある。2019年シーズンを振り返ってみると、そのような選手が数多くいる。今回は、そうした選手の中から、来季の巻き返しが期待される選手を各チーム一人ずつチョイスしてみた。

健在ならもう少し楽に優勝できた可能性も……



●巨人・吉川尚輝

 今シーズンは開幕からレギュラーを勝ち取った吉川尚だが、腰痛の悪化からスタメン落ち。しばらくはリハビリに費やすことになったが、予想以上に時間がかかってしまい、シーズン中に一軍に戻ることはなかった。持ち前の守備力だけでなく、打撃でも好調だったシーズン序盤の活躍を考えると、もし吉川尚が順調だったなら、巨人はもう少し楽に優勝できていたかもしれない。

昨季新人王がまさかの不調



●DeNA・東克樹

 プロ1年目の2018年は24試合に登板して11勝を挙げ、新人王を獲得した東。しかし、さらなる飛躍が期待された今シーズンは、左ヒジの炎症で出遅れて二軍スタート。一軍復帰後も故障などが重なってわずか7試合の登板に終わった。優勝を狙うためにも欠かせない戦力だけに、来季は順調なスタートを切りたい。

中継ぎ期待の戦力が戦線離脱



●阪神・桑原謙太朗

 2017年はリーグ最多ホールド、2018年も62試合に登板して32ホールドと中継ぎの要だった桑原だが、今シーズンはコンディション不良から登板数が激減。7試合に登板して2勝3ホールドと、本来の実力を発揮できずに終わり、推定年俸も1500万円ダウンの4500万円で契約更改となった。ピアース・ジョンソンの退団が濃厚なため、チームとしては桑原の復活を期待したいところだ。

不動のリードオフマンが……



●広島・田中広輔

 3シーズン連続フル出場を続けてきた不動の一番打者だが、今季は打撃が大不振。序盤はなんとかスタメンに名を連ねたが、6月20日のロッテ戦(マツダ広島)でついにスタメンから外れ、2015年4月1日から続くフルイニング出場も途絶えてしまった。4連覇を逃すどころかCS出場権も失ったチームを上向かせるためにも、田中広の来シーズンの復活は絶対だ。

打線の中軸を担うはずが……



●中日・平田良介

 2018年はキャリアハイの打率.329を記録し、史上68人目のサイクルヒットを達成するなど順風満帆だった平田だが、今シーズンはケガに泣くシーズンだった。まずは5月に肉離れで離脱。復帰後の8月には、死球を受けた手首を治療するために登録抹消。シーズン通して満足に出場することができず、結局95試合の出場に留まった。

チームのエースが大不調



●ヤクルト・小川泰弘

 今シーズン最下位に終わったヤクルト。打撃面は好調だったが、とにかく投手陣が不調で失点が多いのが痛かった。その原因の一つは、先発の柱である小川の不振だ。シーズンを通して離脱することなくマウンドに立ち続けたものの、成績は5勝12敗と振るわず。自己最低の成績に終わってしまった。チームのAクラス浮上には小川の復活が欠かせないだろう。

昨年の最多勝投手が無念の戦線離脱



●西武・多和田真三郎

 2018年は自己最多の16勝を挙げ、最多勝利のタイトルを獲得した多和田。MLBに移籍した菊池雄星の穴を埋める活躍が期待された今シーズンだが、投球が安定しない試合が続き、5月に登録抹消。その後「頻脈性不整脈」と診断され、今シーズンは治療に専念することになった。再び投げられるようになるかはまだ分からないが、チームの3連覇のためにも復活を期待したい。

後半復調するも挽回とならず



●ソフトバンク・柳田悠岐

 2015年にNPB史上初のトリプルスリーと首位打者を同時に受賞し、今や球界最高のバッターの一人となった柳田だが、今シーズンは序盤に肉離れで離脱。打撃を行わない形での調整が続けられたが、予想外に治療が長引き、満足に出場できなかった。終盤に復帰したが出場は38試合。打率.289、7本塁打、23打点と、期待を大きく裏切る結果となってしまった。リーグ優勝を果たすためにも、来年は万全なシーズンを送りたいところだ。

楽天が誇る2大エースが機能せず



●楽天・岸孝之

 今シーズンの楽天は則本昂大が右ヒジ手術でリタイアしたため、岸に大きな期待がかけられた。しかし、開幕戦で左太ももの違和感で降板。シーズン中も扁桃炎による発熱などトラブルが続き、満足な投球ができなかった。成績は15試合に登板して3勝5敗と過去ワーストを記録。2019年12月5日に口蓋扁桃の摘出手術を行い、来春のキャンプには間に合う予定とされているが……。

背番号を18に変更した巻き返しの年だったが……


ロッテ・涌井秀章


●ロッテ・涌井秀章

 背番号を18に変更した今シーズンは、2年連続の負け越しからの巻き返しが期待されたが、登板は18試合に留まり、成績は3勝7敗。終盤のCS争いの最中も二軍で調整と、残念なシーズンとなってしまった。それでもリーグ最多となる2完投を記録し、長いイニングを投げきるスタミナは健在だ。12月19日には楽天へ電撃的に金銭トレード。新天地で、どのような復活を見せるのか注目だ。

不完全燃焼だった2年連続盗塁王



●日本ハム・西川遥輝

 2年連続、通算3度の盗塁王に輝いた西川だが、今季は142試合に出場して19盗塁。並の選手なら十分だが、西川としては物足りない数字に終わった。コンディションの不良などマイナスが重なって実力が発揮できず、折り返し時点で早くも昨年の盗塁失敗数に並ぶと、その後も数字が伸ばせないままシーズンを終えることになった。ただ、本人いわく不調の原因は明らかとのこと。来シーズンは必ず修正してくるだろう。

かつての本塁打王がまさかの1本



●オリックス・T-岡田

 今シーズン、オリックスが最下位に沈んだのは、打線の不振が原因だ。外国人助っ人が思ったような結果を残せなかったのもあるが、特に不調だったのがT-岡田。ここ数年は難しいシーズンを送っていたが、今シーズンもわずか20試合にしか出場できず、本塁打もたった1本だった。吉田正尚が台頭したものの、厚みのある打線を形成するにはT-岡田の存在が不可欠ではないだろうか。

 今シーズンは優勝やCS争いがかなり激しかっただけに、ファンは「桑原がいれば……」「東が健在なら……」と思う場面も多かっただろう。プロ野球をより盛り上げるためにも、ぜひ来シーズンは奮起してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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