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ブレークした村上宗隆の熊本への思い

 

自身の名がついたラーメンもアピール


 契約更改後の記者会見でことだった。司会者が質疑応答の終わりを告げると、ヤクルト村上宗隆が「僕からいいですか」と口を開いた。そして19歳の青年は続けた。

「ホームランを打ったら、熊本城に寄付しようと思います」

 熊本地震が発生したのは2016年4月14日。当時は九州学院高2年だった。自転車で帰宅途中に揺れを感じたという。大きな被害を受けた熊本城は通学途中にあり、隣接する藤崎台球場は本塁打を量産した思い出の地だ。実際に被災したからこそ、「故郷のシンボル」に特別な思いを抱くのは自然の流れだった。

 契約更改では、3700万円増の4500万円でサイン(金額は推定)。お金の使い道について聞かれると、しばし考えてから「野球に関するものに使おうと思います」。その一環がこの寄付だったのだ。

 ただし、本人は熊本地震に関しては多くを語ろうとしなかった。その理由は「地震はどこでも起こっている。僕が発信することで嫌な思いをする人もいると思うので」。その当時者として、被災者側の視点も持ち合わせていた。

 ホームランを1本打つごとに一定額を寄付し、それが熊本城復旧につなげたい。大きなモチベーションが加わった村上の打棒に注目だ。

写真=BBM
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