週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

セ・リーグ6球団 2020年最も期待できる新戦力は?

 

広島東洋カープ



 2019年秋のドラフト指名選手の中では即戦力No.1の呼び声高い、ドラフト1位の森下暢仁(明大)が、広島では最も期待の高い新戦力だ。最速155キロのストレートに、タテのカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップと多彩な変化球を織り交ぜ、明大では東京六大学リーグ通算15勝(うち13勝が3年生以降での勝ち星)。2019年全日本大学選手権、日米大学選手権では最高殊勲選手賞に輝いている「勝てる投手」だ。順調にいけば、広島でも先発ローテーションの一角を担うことになる。本人も「新人王を狙いたい」とヤル気十分。年間通して投げるスタミナ面をクリアできれば、その夢も十分実現可能だろう。


読売ジャイアンツ


巨人パーラ(ナショナルズ時代/写真=Getty Images)


 ドラフトでは2位の太田龍(JR東日本)以外、すべて高校生(育成を除く)を指名し、FA戦線では大惨敗を喫したこともあり、オフの補強は新外国人の獲得がメーンとなった。投手では今季8勝のC.C.メルセデス、途中加入で8セーブを挙げたR.デラロサが契約延長で期待が持てるだけに、外国人枠の関係でリリーバーの最速167キロのT.ビエイラ(ホワイトソックス)、今季韓国で17勝の先発右腕のA.サンチェス(韓国/SK)のどちらが一軍枠に食い込むか。一方、野手ではメジャー通算1312安打のG.パーラ(ナショナルズ)への期待が大きい。今季は途中加入のナショナルズで勝負強さを見せ、8本塁打42打点。ポストシーズンでも7試合に途中出場し、チームのワール・シリーズ制覇に貢献している。原辰徳監督が打線のカギの1つに五番を挙げるが、岡本和真の後でパーラが機能すれば、上位打線はより強力なものとなる。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA坂本裕哉(立命大時代)


 ドラフト1位の内野手、森敬斗(桐蔭学園高)が一軍で戦力となるに、はしばらく時間がかかりそうだ。メジャー通算30発のオースティン、今季3Aで10勝を挙げたピープルズの新外国人は未知数。2020年の即戦力として一軍で活躍する可能性が高いのがドラフト2位左腕の坂本裕哉(立命大)だ。4年春に才能を開花させ3冠に輝く活躍で、リーグ優勝に貢献。昨年の新人王である東克樹の大学時代に2学年下の後輩にあたり、プロで再び同じユニフォームを着てプレーすることになる。寮では同部屋だった時代もあり、大学時代の東がチェンジアップを指南したこともあった。ルーキーイヤーで11勝挙げた先輩をお手本に、先発ローテの一角に食い込みたいところだ。

阪神タイガース


阪神エドワーズ(インディアンス時代/写真=Getty Images)


 得点力不足に泣いた2019年の阪神。そこを補うために左の大砲・ボーアと今季韓国リーグ打点王・サンズを獲得し、大きな期待がかかる。一方で、強力リリーバーをけん引したセットアッパーのジョンソンが退団。来季、優勝争いをするには、今季と同じ力を持った中継ぎ陣を構築することが不可欠だ。そこでメジャー通算49試合登板で中継ぎ専門だったエドワーズを獲得。ジョンソンと同じく150キロ台の真っすぐとパワーカーブが持ち味。矢野耀大監督も「タイプ的に本当にジョンソンに似ているんじゃない」と期待感を示している。エドワーズがジョンソン並みの投球を見せることができれば、2020年も安定した戦いができるはずだ。

中日ドラゴンズ



 もちろん、ドラフト1位の石川昂弥(東邦高)への期待が大きい。新外国人左腕のルイス・ゴンサレスや、ドラフト3位の岡野祐一郎(東芝)ら大卒・社会人投手と比べれば、高卒内野手の石川は“即戦力”ではない。しかし、未来の四番筆頭という面で、期待感は誰よりも高い。三塁は現在、攻守で充実期にある25歳の高橋周平がレギュラーを張っており、石川が今すぐ一軍で出場するのは難しいだろう。しかし石川本人は、1年目から一軍でレギュラー争いをすることを宣言。将来的には、1年先輩の根尾昂と三・四番コンビを結成できるのが理想だ。

東京ヤクルトスワローズ



 12球団ワーストとなるチーム防御率4.78という結果に終わった2019年シーズン。投手陣のみならず、リードする捕手の補強も必要ということで白羽の矢が立った。13年の球団初のリーグ優勝、日本一の立役者で、チームの象徴的存在だった。しかし若返りが進む楽天で出場機会を失い、「勝負したい」という思いで退団を申し出た。入団会見では「本気でレギュラーを獲りにいく」と、正捕手・中村悠平に挑戦状をたたきつけた。リード面はもちろん、多くの経験を含めたリーダーシップも、若手投手の多い投手陣に好影響を与えそうだ。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング