昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 広岡コーチ、いきなり毒? を吐く
今回は『1970年2月16日号』。定価は70円。
1月28日、就任後、まだ始動もしていないにもかかわらず、早くもインテリコーチともカミソリコーチとも言われる
広岡達朗新コーチが
広島入り。
選手たちへの第一声が「お粗末なグラブだ。手入れなんかしてないんじゃないか。プロ野球選手としての自覚を疑いたくなる」。
さすがぶれない人だ。
もう一人の新コーチ、
関根潤三は広岡より先にチームに合流。
「みんな僕のことを理論家だなんて呼んでるけど、ベースボールはまず体で覚えなくちゃいけないねえ。アクションですよ。大事なのは」
ちなみに2人も背広姿だったが、これはこの年から「12月、1月はコーチがユニフォームを着て自主トレーニングに参加することを禁ず」というコミッショナー通達があったからだ。
1月25日、好天の藤井寺球場がとんでもないことになっていた。自主トレ中の近鉄・
太田幸司見物に1500人のファンが集まり、球場の売店が急きょ開いた。
三原脩監督は「自主トレでこれだけファンが来たのは初めてでしょう」と話していた。
太田は「君の人気は、半分はマスコミでつくったものという見方があるんだ。どう?」という意地の悪い質問に、
「僕もそのとおりだと思います」
ときっぱり答えていた。
南海自主トレには
ブレイザー新ヘッドコーチが合流。
「日本の野球で一番遅れているのは頭の野球とファイトの野球だ。自分は内野手出身なので、ベースランニングと併殺の完成法など、機敏な頭の野球を教えたい。
エラーには技術の巧拙によるものと頭のエラーがある。若い者なら技術のエラーは仕方がないが、頭のエラーは厳しく注意するから」
シンキング・ベースボールの始まりだ。
以下、18禁。
つのだじろうさんの「二軍の旗」で主人公と恋人のベットシーンがあった。ただ、なぜか場所は夜の公園。ほぼレイプだ。
では、またあした。年内はあしたがラスト予定です。
<次回に続く>
写真=BBM