ペナントレース開幕を2週間後に控えた福岡で、極上の投げ合いが行われていたのをご存じだろうか。
3月14日にヤフオクドームで行われたソフトバンクと巨人のオープン戦3回戦。先発のマウンドに上がったのがソフトバンク・千賀滉大、巨人・菅野智之の両エースで、開幕投手が決まっていたこともあり、2週間後に向けて仕上がりは万全の中、意地と意地がぶつかり合った。
6回裏まで両右腕が1人の走者も許さない息詰まる投手戦を展開。菅野はホークス打線に的を絞らせず、打たれたのは内野安打の2本だけとエースの貫禄をみせつけると、千賀もジャイアンツ打線を7回まで1安打に抑え込む好投を披露する。結局、両投手がマウンドにいる間にスコアは動かず、ともにリリーフにバトンを託した後に巨人が4点を奪って勝利したが、正直なところ、オープン戦ではもったいないエース同士の投げ合いだった。
この試合を振り返り、菅野は「(千賀の存在を)意識しないと言ったら、ウソになります。回をおうごとに締まったいい試合ができていましたし、僕にとっては投げ合う相手も大事。開幕2週間前の緊張感がある中で良い実戦登板になりました」と言えば、千賀も「菅野さんの登板とぶつかると分かってから、もう開幕本番のつもりで入ろうと、一回気持ちを上げました」と互いの力を認めていることを明かした。
そんな2人のスペシャルな対談が、12月25日に発売となった週刊ベースボール1月6・13日号で実現。19年シーズンのこと、理想の投手像・将来像、そして侍ジャパンの2大エースとして金メダル獲得に期待がかかる東京2020オリンピックをテーマに、今、思うことをざっくばらんに語り合っているので、お見逃しなく。
文=坂本 匠 写真=小山真司