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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

神宮球場の全席指定席化に思うこと

 

1992年、神宮球場で行われた日本シリーズの様子


 今年、神宮球場で行われるヤクルト主催の試合は、外野応援席も含め、すべて指定席となる。これで、セ・リーグの本拠地は全席指定席化した。令和2年、新しい時代の移り変わりを感じる。昨年の神宮球場は、全席指定の試合と、外野など一部が自由席の試合とがあった。記者の記憶だと、2010年代前半は外野席はユニフォーム配布日などを除き、全試合自由席だった気がする。

 自由席、指定席ともにメリット・デメリットはある。好きな席に座れる自由席は、その名のとおりとにかく自由だ。学生時代は、朝早くから神宮球場外の列に並び、蚊と戦いながら通路側の席を勝ち取ったものだった。大人数で好きな場所に座れることもメリットのひとつだろう。しかし、球場に並ぶ時間があってこそ、このメリットは生かせる。

 反対に社会人になってからは、指定席がありがたいと思うようになった。朝早くから球場に並ぶ時間はない。だが指定席なら、仕事が終わってから球場に向かっても自分の席がある。デメリットとしては、チケットは基本的に4枚までしか買えないことだろうか。大人数で観ようと思ったときは、座席指定をしたり団体観戦として申し込みをしなければならず、非常に手間がかかる。

 自由席でも指定席でも良い面はあるのだが、自由席に慣れていた身としては、やはり全席指定席化は寂しい思いがする。ただ、指定席化で並ぶ必要がなくなったのであれば、プロ野球の前に神宮球場で行われている大学野球にも、足を運んでみてほしい。大学野球2試合と、プロ野球1試合の“トリプルヘッダー”はなかなかしんどいが、野球好きなら楽しめること間違いない。

文=依田真衣子 写真=BBM
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