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パ・リーグ6球団 2020年最も大きな飛躍が期待できる若手は?

 

オリックス・バファローズ



 先発再転向した昨季に防御率1.95でタイトルを獲得し、確固たる地位を築いた山本由伸は、今季プロ4年目の22歳。まだまだ若手の部類に入るから末恐ろしいが、それだけ伸びしろも十分に残されている証だ。昨季は8月に故障離脱し、勝ち星は8勝(6敗)どまり。本人も白星の少なさを悔いており、今季はシーズン完走で2ケタ勝利は最低ラインに設定。チームを勝利に導くことを念頭に置く右腕は、今季から背番号が18に。勝ち星を稼いでエースへと近づきたい。

埼玉西武ライオンズ



 ホップ、ステップ、そして今季はジャンプのシーズンとしたい。高卒2年目の2018年に5勝、19年は7勝をマークした今井達也。一軍定着3年目となる2020年、最低2ケタ勝利が求められる。昨季はチームトップの135回1/3を投げたがもちろん満足感はない。将来的には200イニングを稼げる投手として、あらゆる面でレベルアップしていく必要性を感じている。防御率も4.32。打線の援護があったからこそ、勝利を挙げられた試合が多くあったことも痛感し、敗戦が9と負け越してしまったことが反省点だ。先発完投し、負けない投手へ。今井の新しい挑戦が始まる。


福岡ソフトバンクホークス



 千賀滉大甲斐拓也を筆頭に、昨季も周東佑京が足を武器にブレークを見せたソフトバンクの育成出身選手。今季もニュースター誕生の予感が漂う。投手では育成3年目の尾形崇斗。スピンのかかったストレートを武器に三振の山を築く姿は圧巻で、昨秋のフェニックス・リーグでは6試合、8イニングを投げて18個の三振を奪い、奪三振率は驚異の20.25をマークした。台湾で行われたウインター・リーグでも奪三振率17.74(11回2/3、23奪三振)と、伸び盛りの右腕だ。野手では育成4年目の田城飛翔(外野手)と育成3年目の砂川リチャード(内野手)に注目。田城はアベレージヒッター、砂川は右の大砲候補とタイプの違う魅力を持つ2人。特に田城は昨季、ウエスタン・リーグでトップの108安打、同2位の打率.307の好成績を残しているだけに、春季キャンプ、オープン戦でのアピール次第では開幕前の支配下も。いずれの選手からも目が離せない。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 目指すは中堅のレギュラーだが、その座が約束されているわけではない。ルーキーイヤーの2019年シーズンは124試合に出場して、打率.229、4本塁打、25打点、チームトップの13盗塁をマーク。守備、走塁面では存在感を示したが、打撃面では多くの課題を残した。だからこそ、背番号「8」で挑む新たなシーズンへ懸ける思いは強い。目指す数字は「2ケタ本塁打、出塁率、4割、盗塁30個以上」と理想は高い。田中和基らチーム内にはライバルが多いが、スピードという自身の長所を生かして定位置を確保したいところだ。

千葉ロッテマリーンズ



 2019年はまさに飛躍の1年だった。中継ぎからのスタートだったが4月下旬に巡ってきた先発のチャンスでプロ初勝利を挙げると、そのまま先発ローテに定着。課題だったスタミナとペース配分も着実に克服しながら、8月以降はしっかりとイニングを“食える”ようになり、先発陣の中心的存在へ成長、チーム最多タイの8勝をマークした。オフには大幅昇給とともに背番号は「63」から「16」へ変更。球団は19年の8勝の倍となる「16」勝をという期待を込めているが、自身も「重みがある。責任を持って投げたい」と自覚十分。事実、高卒4年目、22歳となる右腕が若返りの進んだ先発陣の中で“真のエース”と呼べる活躍を見せてくれなければチームのAクラス入り、その先のリーグ優勝は見えてこない。

北海道日本ハムファイターズ



“ポスト・田中賢介”として2019年シーズン、二塁レギュラーの座を奪った渡邉諒。132試合に出場して打率.262、11本塁打、58打点とパンチ力もこの男の大きな魅力。高いポテンシャルがさらに開花すれば中田翔に次ぐ、右の和製大砲として打線は迫力を増す。課題だった守備も経験を重ねるごとに着実に安定感が増し、「諒は本当にうまくなった」と栗山英樹監督の信頼も勝ち取った。かつて東海大甲府高で甲子園を沸かせた2014年のドライチが4年ぶり覇権奪回のキーマンの1人となる。

写真=BBM
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