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プロ野球回顧録

90年代巨人BEST9は? 長嶋茂雄監督が先頭に立ってチームを牽引/プロ野球回顧録

 

近くて遠い90年代プロ野球――。いまから20年以上前、各球団ではどのようなことが起こっていたのか。プロ野球が熱かった90年代を12球団ごとに振り返る。

ミスタープロ野球の使命


長嶋監督が就任2年目となる94年、中日との史上初となる同率首位の最終試合直接対決を制して優勝に輝いた


 巨人の90年代は圧倒的な強さで幕を開けた。前年、2度目の監督就任で見事に優勝の栄冠に輝いた藤田巨人は、90年のシーズンはさらにパワーアップ。4月は14勝5敗。5月は14勝10敗と好スタートを切った。投げては前年、20勝をマークした斎藤雅樹が再び勝ち続ける。20勝5敗、防御率2.17と驚異的な数字でチームを牽引した。

 結局、2位・広島に22ゲーム差をつける独走で9月8日、吉村禎章のサヨナラホームランで早々に優勝を決めた。しかし、優勝決定から40日以上という空白の影響もあったのか、日本シリーズでは西武に屈辱の4連敗。岡崎郁は敗戦後、「野球観が変わった」と完敗を認めた。

 翌91年は大エースの斎藤が11勝に終わるなど、チームは乗り切れなかった。9月に5勝12敗と大きく負け越し、史上4度目、12年ぶりのBクラスの4位。92年は斎藤も17勝と復活したが、スタートダッシュに失敗したのが響いて2位に終わり、藤田元司監督は退任。ミスタープロ野球、長嶋茂雄が2度目の監督の座に就いた。

 長嶋監督にはチームのV奪回だけではなく、もう一つ使命があった。93年、サッカーJリーグの誕生もあり、野球を人気低迷から救ってほしい、という周囲からの願いだ。長嶋監督は92年秋のドラフトで星稜高・松井秀喜を引き当てる幸先のいいスタート。宮崎キャンプでも大勢のファンを集め、メディアも注目したが、シーズンでは波に乗ることができなかった。6月、8月に負け越すなど、ヤクルトの独走を許す。結局Aクラス(3位)は確保したが、勝率は.492と5割を切った。

 93年オフ、巨人にとって追い風が吹く制度が確立した。ドラフトの逆指名とフリーエージェント(FA)制である。さっそく、落合博満が中日から入団。以後も94年に広島・川口和久、ヤクルト・広沢克己、95年に日本ハム河野博文、96年に西武・清原和博、99年に広島・江藤智、ダイエー・工藤公康と大物選手をFAで次々と獲得(年度は宣言をした年)していった。

96年には「メークドラマ」


96年には首位と最大11.5ゲーム差を逆転して2年ぶりのV


 球団創立60周年という記念すべきシーズンとなった94年は、プロ野球史に残る劇的なシーズンとなった。ロケットスタートでチームは開幕から首位を快走したが、夏場から徐々に調子を落とし、一気に混戦模様に。そして10月8日、史上初の同率首位同士の最終試合直接対決となったが、中日を下して見事、優勝。余勢を駆って、80、90年代と3度日本シリーズで対決し、いずれも敗れている西武を4勝2敗で下して18度目の日本一を手中に収めた。

 95年は3位に終わったが、96年は「メークドラマ」を成し遂げた。一時は首位に11.5ゲーム差をつけられ、優勝は絶望的に思えたが、7月9日の広島戦の9打者連続安打をきっかけに浮上。長嶋監督も「絶対にあきらめない」と言い続け、セ記録となる最大ゲーム差を逆転しての優勝を飾った。だが、日本シリーズはオリックスの前に1勝4敗と完敗。このオフには渡辺恒雄氏が三代目オーナーに就任した。

 97年4位、98年3位、99年2位と残りの90年代は優勝から見放されたが、戦力補強はどんどん進めていった。ドラフトでは逆指名で高橋由伸上原浩治二岡智宏高橋尚成などを獲得。しかし、先に挙げたFAでの大補強もそうだが、チームにとって足りないところを埋めるわけではなく、ただ単にいい選手を獲得するアンバランスな補強は反省点と言えるだろう。

1990年代巨人BEST9


左から巨人・松井秀喜、清原和博、高橋由伸


■1990年代巨人BEST9

投手 斎藤雅樹 90〜99年在籍 
241試合、126勝72敗0セーブ、防御率2.90

捕手 村田真一 90〜99年在籍
925試合、594安打、打率.240、84本塁打、309打点

一塁手 清原和博 97〜99年在籍
332試合、280安打、打率.252、68本塁打、221打点

二塁手 仁志敏久 96〜99年在籍
466試合、477安打、打率.272、37本塁打、138打点

三塁手 岡崎郁 90〜96年在籍
616試合、490安打、打率.251、36本塁打、225打点

遊撃手 川相昌弘 90〜99年在籍
1112試合、992安打、打率.271、32本塁打、255打点

外野手 清水隆行 96〜99年在籍
470試合、473安打、打率.299、44本塁打、158打点

外野手 松井秀喜 93〜99年在籍
853試合、913安打、打率.293、204本塁打、570打点

外野手 高橋由伸 98〜99年在籍
244試合、283安打、打率.308、53本塁打、173打点

写真=BBM

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週刊ベースボール編集部

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