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メジャー移籍が決まった筒香嘉智と秋山翔吾の打者としての特徴は?/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は打撃編。回答者は現役時代に巧打の選手として活躍した、元ソフトバンク柴原洋氏だ。

Q.DeNAの筒香嘉智選手がレイズと2年契約を結び、秋山翔吾選手も海外FA権を使ってメジャー移籍をうかがっています(編集部注:現地時間1月6日にレッズと正式契約)。大谷翔平選手は二刀流ですが、野手で言えば久々の日本からのメジャー移籍選手です。彼らのプレーヤーとしての特徴を教えてください。(神奈川県・28歳)



A.秋山選手は現代の日本球界No.1の安打製造機。一方の筒香選手も日本が誇るパワーヒッターです


彼らがどんな工夫をしてメジャーにアジャストしていくのか。非常に興味深い


 2人は同じ外野手(筒香選手はサードも視野に入れているとか)ですが、打者としてのタイプはまったく異なります。まず秋山選手は出塁率が高く、アベレージヒッター。西武時代は一番、三番を打つことが多く、攻守走の三拍子そろった非常に優れた選手です。キャリア9年で首位打者1度(2017年)、最多安打4度(15、17〜19年)を誇り、15年はNPB記録(つまり日本記録)の216安打を放っています。現代の日本球界No.1の安打製造機と言えるでしょう。

 ここ3シーズンはいずれも20本塁打以上を放っているように、甘いボールを逃さずにスタンドに運ぶ力も持っています。細かなこともできて、使い勝手の良いバッターだと思います。一、二番を打って、どれだけの結果を残してくれるのか、非常に楽しみです。

 一方の筒香選手は侍ジャパンでも四番を打ったように、日本ではパワーヒッターです。16年には44本塁打で本塁打王、110打点で打点王の2冠に輝いています。ただ、あまり広くはない横浜スタジアムで30本塁打超が16年の44本と18年の38本の2度だけがやや物足りなさを感じますが、もともとメジャー志向を持っていたようで、年々、フォームもそれを意識したものへと変化させていっているようです。ポイントも後ろに置き、あとはメジャー・リーガーの動くボールへの対応がどうか、というところでしょうか。

 イチロー(元マリナーズほか)さんも、大谷選手も海を渡り、どんどんムダを削ぎ落したフォームに変化していきました。これは大きく足を上げる秋山選手も同様ですが、彼ら2人がどんな工夫をしてメジャーにアジャストしていくのか。非常に興味深いところです。

写真=Getty Images

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

『週刊ベースボール』2020年1月6&13日号(12月25日発売)より
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