週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

2020年シーズン中にFA権取得が見込まれる注目選手は?

 

 2019年オフのFA市場は、海外FA権を取得した西武秋山翔吾や、国内FA権を取得したロッテ鈴木大地ソフトバンク福田秀平などに注目が集まった。しかし、2020年シーズンはさらなるビッグネームがFA権を取得すると見られており、激しい争奪戦が予想される。今回は、そうした「2020年シーズン中にFA権取得が見込まれる注目選手」を紹介しよう。

ヤクルトの山田以外にも注目選手が盛りだくさん



●山田哲人(ヤクルト)

 2020年オフのFA市場で最も注目されるのが、過去3度のトリプルスリーを達成しているヤクルトの山田哲人だ。2019年は142試合に出場して打率.271、141安打、35本塁打、98打点、33盗塁。打率が3割に届かず4度目のトリプルスリーとはならなかったが、NPB屈指の強打者であることを示した。2019年オフの契約更改では推定5億円で単年契約を締結しており、オフにFA移籍する可能性は高い。そうなると激しい争奪戦が起こるだろう。


●西川遥輝(日本ハム)

 過去3度、最多盗塁のタイトルを獲得したパ・リーグ屈指のスピードスターも、順調ならFA権獲得が見込まれる。2019年は142試合に出場して打率.288、158安打と上々の成績を残したが、盗塁は19個と自慢の足は鳴りを潜めた。不調の原因は明確だとしており、2020年は復調が期待される。快足が復活すればFA市場での争奪戦も激化することは必至。ただ、本人はポスティングシステムでの海外移籍を希望している。


●大野雄大(中日)

 2018年は6試合に登板して勝ち星なしと厳しいシーズンを送った大野雄大だが、2019年は1年を通してローテーションを守り、25試合9勝8敗と復調。9月14日の阪神戦(ナゴヤドーム)ではノーヒットノーランを達成している。勝ち星は2ケタに届かなかったが、毎試合好投を続け、防御率2.58で初の最優秀防御率のタイトルに輝いた。オフの契約更改では1年契約を結んでおり、FA権行使の可能性は高い。

ヤクルト・小川泰弘


●小川泰弘(ヤクルト)

 中日の大野と同じ先発投手で注目なのが、“ライアン小川”ことヤクルトの小川泰弘だ。ここ数年は調子が安定せず、思ったような結果が残せないシーズンが続いていた。開幕投手を任された2019年も5勝12敗、防御率4.57と厳しい結果に終わった。しかし、ルーキーイヤーにいきなり16勝を挙げて新人王に輝いたように、実力は確か。2019年オフの契約更改では単年契約を選んでおり、山田とともにチームを離れる可能性がある。

西武・増田達至


●増田達至(西武)

 西武の守護神・増田達至も、FA権を取得した場合にその動向が注目される選手だ。1年目から中継ぎとして活躍した増田は、2015年には40ホールドで最優秀中継ぎのタイトルを獲得。翌2016年からは抑えでも起用され、2019年は自己最多の30セーブを記録。チームのリーグ連覇に貢献した。2019年オフの契約更改ではチームから複数年契約を提示されたが、単年契約を選択。投手力の乏しい西武としては流出を阻止したいところだろう。


●田中広輔(広島)

 2016年から2018年まで3年連続フルイニング出場を果たした広島不動のリードオフマンだが、2019年は不調から連続フルイニング出場記録と連続出場記録がストップ。その後も調子を取り戻すことはできず、シーズン終盤には右ヒザを手術し、結局97試合で打率.193と自己ワーストに終わった。2020年はFA権取得が見込まれるが、まずは復調することが最優先だといえる。

ロッテ・松永昂大


●松永昂大(ロッテ)

 ロッテの松永昂大もFA権を行使した場合に争奪戦が起こる可能性のある選手だ。入団から7年連続で40試合以上に登板。同じく中継ぎエースの益田直也とともにロッテ投手陣を支えてきた。2019年は46試合に登板して2勝3敗25ホールド、防御率2.60と安定しており、中継ぎの駒不足に悩む球団はノドから手が出るほど欲しいだろう。先んじてFA権を取得した益田はチームに残留したが、果たして松永がどうなるのか注目だ。

DeNA・ロペス


ホセ・ロペス(DeNA)

 2013年に巨人に入団し、2015年からはDeNAで活躍しているホセ・ロペスは今季で8年目。順調ならば外国人として11人目の国内FA権取得となる。2019年は142試合に出場し、打率は.241と来日以降ワーストだったが、31本塁打と力強いバッティングは健在。リーグ屈指の守備力も衰えることなく、NPB公式戦記録となる1623守備機会連続無失策を達成し、4年連続でゴールデン・グラブ賞にも輝いた。今オフで37歳になったが、欲しがるチームは多いだろう。

 ほかには、楽天島内宏明辛島航塩見貴洋あたりも、FA権の行使が注目される選手。特に年俸ランクがCの辛島と塩見は移籍した際の補償が必要ないため、投手陣を補強したいチームにとってうってつけだ。

 ソフトバンクの森唯斗、西武の金子侑司も2020年にFA権取得が見込まれるが、2019年オフに複数年契約を結んでいるため、このまま残留となる。巨人の小林誠司も一部で複数年契約を結んだといわれており、これが事実ならFA移籍はないだろう。

 2020年オフは山田哲人を巡る激しい争奪戦が行われることが必至だが、それ以外にも西川、大野、小川、増田など、各チームが是が非でも獲得したい主力選手が目白押し。彼らを獲得、またはチームに残留させるために、どのような駆け引きが行われるのか今から楽しみだ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング