1月11日、楽天の新人合同自主トレが楽天生命パーク宮城の室内練習場で始まった。その練習風景を見ていて少し驚いたのが、ドラフト1位の小深田大翔（大阪ガス）と最年長の瀧中瞭太（Honda鈴鹿）が積極的に声を出していたことだった。例年、高卒ルーキーが元気よく声を出していることが多い新人合同自主トレ。だが今年は年長メンバーがチームの雰囲気を作っていた。小深田は「年下が多いだけに、見本になれるように心がけている」と練習にも意欲的に取り組んでいる。

　攻守走三拍子そろった内野手として、将来はチームの中心的選手になることが期待されている小深田。それだけにプレーだけではなくリーダーシップも求められている。昨年は経験豊富な浅村栄斗とキャプテンの銀次を中心とする内野陣だったが、オフには積極的にコミュニケーションをとる鈴木大地を獲得。石井一久GMは「内野の中に司令塔みたいな人がいてくれたほうがいい」とそのリーダーシップを高く評価した。鈴木が中堅選手であることを考えると、若手でキャプテンシーのある選手の育成は必須。そこで近大4年時にキャプテンとして大学選手権にも出場している小深田には、次代のリーダー格としての期待も大きいだろう。

　もちろん、まずはレギュラー奪取が必須となる。「ケガをしないことが大事。シーズンでいいスタートが切れるようにやっていこうと考えている」と開幕一軍を見据えた小深田。「どの部分でもアピールしていけるように」と新人合同自主トレ期間でのさらなるレベルアップも目標に掲げた。三木肇監督も「春季キャンプに向けて大事な時期。しっかりと練習を積んでほしい」と語り、大学、社会人卒のルーキーには春季キャンプの一軍入りに期待した。

「即戦力として期待されている。開幕からスタメンを狙い、新人王をとりたい」

　50メートル5秒9の俊足を最大の武器とするドライチは、大阪ガス時代の先輩で盗塁王を獲得した阪神・近本光司を追いかけ、追い越すべく1年目からの活躍を誓った。

文＝阿部ちはる　写真＝井沢雄一郎