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中日の背番号、「2」と「13」を考える

 

「2」と「13」をルーキーに与えた中日だが……


背番号「2」を見せるドラフト1位・石川昂弥


 2018年シーズン限りで、背番号「2」の荒木雅博と、背番号「13」の岩瀬仁紀が現役を引退した。中日一筋で数々の記録を打ち立ててきた2人の活躍については、読者の方々もよくご存じだろうから割愛する。そんな2人が引退した翌19年、2つの背番号は空き番だった。

 永久欠番ではない。しかしこの空き番には、「いずれふさわしい選手が現れるまでは空き番」という意味合いがこもっていたはずだ。そんな偉大な背番号が、今季、入団したばかりのルーキー2人に渡ったのだから、批判されるのも無理はない。16年にも似たようなことがあった。50歳まで現役を続け、15年限りでユニフォームを脱いだ山本昌の背番号を、間を空けることなくドラフト4位ルーキーの福敬登に与え、物議をかもしたことは記憶に新しい。

「あのレジェンドの番号を軽々しく……」と言いたくなる気持ちも分かる。だが、ルーキーに与えたほうが、批判は少ないのではないか。「ふさわしい選手が現れたら」と空いたままにしておけば、そのハードルは高くなる一方だ。成績を残し始めても、前任者を超えるような成績を残さない限り、「こんな成績ではまだふさわしくない」と言われるだろう。既存の選手が1000試合登板、400セーブを超えるころ、その選手は一体何歳になっているだろう。だったら、すべてがゼロのルーキーに渡したほうが、別の伝説のスタートとして、区切りがいい。

 荒木の「2」を背負う石川昂弥の物語も、岩瀬の「13」を背負う橋本侑樹の物語も、まだ始まったばかりだ。背番号の歴史は塗り替えるものではなく、積みかさねるもの。2人には、新たな伝説を作っていってほしい。

文=依田真衣子 写真=BBM
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