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2020ドラフト

プロ志望を表明した慶大7選手。ドラフト戦線でも“陸の王者”は話題の中心に

 

150キロ超を誇る左右の両輪


2020年の練習始動日となった1月18日、慶大の151キロ左腕・佐藤宏樹(左)と155キロ右腕・木澤尚文(右)は大学卒業後のプロ志望を表明した


 今春から慶大を指揮する堀井哲也監督は120人の全部員との個人面談に着手している。まずは大学卒業後の進路もあるため、4年生を最優先に進めた。

 プロを志望する新4年生が7人いる。

右投手・木澤尚文(慶應義塾高)
左投手・佐藤宏樹(大館鳳鳴高)
右投手・関根智輝(都立城東高)
左投手・長谷部銀次(中京大中京高)
捕手・植田響介(高松商高)
一塁手・嶋田翔(樹徳高)
遊撃手・瀬戸西純(慶應義塾高)

 木澤は最速155キロで昨年12月には大学日本代表候補合宿(松山)に初招集、今年3月の最終選考合宿(平塚)にも選出されている。「プロを目指すにせよ、一人の投手として成長し、どうチームに貢献していくか。1年間を通して投げたい」と、春・秋のリーグ戦で「年間10勝」を目標とする。

 3年春に151キロを計測した左腕・佐藤は、1年秋にリーグ優勝に貢献。その後は左ヒジを痛めるなど、不本意なシーズンが続き、昨秋も1試合の登板。とはいえ、タテ・横のスライダーは分かっていても打てない高いレベルにあり、3年秋までに47イニングで74奪三振と恐るべき奪取率(14.17)を誇る。まずはチーム内の信頼を得ることから始まるが「やる以上は上を目指す。ドラフト1位で指名されたい」と目を輝かせる。年末年始に帰省した秋田では、高校の練習に参加してシート打撃(大館樹海ドーム)に登板するなど、調整は極めて順調だという。

 リーグ戦通算5勝の本格派右腕・関根は右ヒジ手術により、2年秋から昨秋まで3シーズン登板がないが、今春を照準に復活を期している。183センチ左腕・長谷部は2年春に1試合登板したのみだが、堀井監督は「ものすごいボールを投げる」と期待を寄せる未完の大器。高松商高3年時にセンバツ準優勝経験のある大型捕手・植田は、卒業した正捕手・郡司裕也中日)の後釜を狙い、右の強打者としても好素材だ。通算5本塁打、26打点の嶋田は右スラッガーとしての可能性を秘め、3年秋までに52試合出場と神宮の経験が豊富である。

鉄壁の守備力を持つ主将


 そして、2020年の慶大をけん引する新主将・瀬戸西も「プロ志望」を表明した。昨秋のシーズン途中の段階で確認した際には、明確な返答がなかった。だが、同秋のリーグ優勝、19年ぶりの明治神宮大会制覇を機に、心境の変化が出た。また、1学年先輩が4人プロ入りしたことも後押しに。「身近に感じる機会となり、(プロが)リアリティーに見えた。自分のため、チームのためにも覚悟を持ってプレーする意味でも、目指していこうと思いました」。

 2年春から不動の遊撃手で、鉄壁の守備力を誇る。課題だった打撃面も19年ぶりに制した昨年11月の明治神宮野球大会では10打数5安打、6打点と自信を深めた。とはいえ、基本は守備の人。「守りがないと、自分の存在意義はない。今年1年間も、守りを基礎にやっていきたい」と冷静に語る。

 個性派選手がそろう慶大。今春は新指揮官の下で「秋春連覇」と「秋春連続日本一」を狙っているが、ドラフト戦線においても、話題に事欠かない1年となりそうだ。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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