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ラグビーW杯のレガシーがここにも。元巨人・高橋由伸氏らが女子野球選手たちを激励

 

1月18日、エコパスタジアムで「アザレア・スポーツクラブ」による女子児童向けの野球教室が行われた


 1月18日、静岡県袋井市のエコパスタジアムで、日本ラグビー協会副会長の清宮克幸氏が代表理事を務める「アザレア・スポーツクラブ」(静岡県袋井市)による女子児童向けの野球教室「ガールズ・ベースボール・クリニックinエコパ」が開催され、元読売ジャイアンツ監督の高橋由伸氏、エイジェック女子硬式野球部所属の吉田えり選手、川端友紀選手がゲスト講師として参加した。

 アザレア・スポーツクラブは昨年行われたラグビーワールドカップのレガシーとして設立された、子どもと女性向けの総合型スポーツクラブ。発足と同時に7人制女子ラグビーチーム「アザレア・セブン」が始動したが、サッカー王国でありながら野球ファンも多い地元から野球チームを熱望する声が多く上がり、女子硬式野球のクラブチーム「アザレア・ベースボール」の立ち上げを目指すことになった。今回はその周知を目的とすると同時に、全国で選手が2万人にまで増えた女子野球のさらなる普及を目指したものである。

 ワールドカップの際、ラグビー日本代表がアイルランド相手に奇跡の勝利を収めたエコパスタジアムは、本来は野球禁止のスタジアムだが、今回はワールドカップのレガシーであるアザレア・スポーツクラブのために特別に開放。県内の硬式1チーム22名、軟式1チーム13名、野球未経験者を含めた一般応募の約50名、そしてサポートに日大国際関係学部(静岡県三島市)の女子硬式野球部14名が参加し、野球女子100名が集結する一大イベントとなった。

 ウォーミングアップは、アザレア・セブン監督で元ラグビー日本代表の小野澤宏時氏が担当。アザレア・セブンの選手も参加してラグビーボールを使ったアップを行うなど、競技の枠を超えたメニューは総合型スポーツクラブならでは。高橋氏と清宮氏がラグビーボールでのパスを楽しむなど、貴重なシーンも見られた。

高橋由伸氏も熱心に指導を行った


 野球教室では、キャッチボール指導、高橋氏によるバッティング指導、吉田・川端両選手による守備練習などが行われた。高橋氏は、きれいなバッティングを披露した上級者の選手に「変にいじらないほうがいい。動きもしなやかなので、その個性を大事に」とアドバイス。野球を初めて体験する児童には、球をバットに当てられたことをとにかく褒めて喜ばせた。高橋氏は「スポーツはうまくいかないこともある。楽しいと感じられないと続かない。これからも野球の楽しさをたくさん経験してほしいです」と語った。

 吉田選手は「静岡で野球教室に参加したのは今回が初めて。野球をやっている女の子がこんなにたくさんいてびっくりしました。高校の部活なども含めて、野球を続けられる環境がさらに整うといいなと思います」、川端選手は「私が子どものころに比べたら環境は良くなっているけれど、中学生の女子チームなどもまだ少なく、男子に混じってやっている子が多い。とにかく野球を続けてほしいというのがいちばんの願いです」と語った。

 主催者である清宮氏は、「野球少年たちに負けない、すごいパワーがあることが分かった。彼女たちのエネルギーをしっかりバックアップしてあげたい。ラグビーとともに、女子野球も盛り上げていければ」と、アザレア・ベースボールの立ち上げにさらなる意欲を見せた。

文・写真=岡田真理
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