週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

2019年は村上宗隆。過去に突如として覚醒したプレーヤーは?

 

 2019年のセ・リーグ新人王は、36本塁打を放ったヤクルト村上宗隆がプロ2年目で受賞した。もともと打力に定評があり二軍でも好調だったものの、1年目の一軍出場はわずか6試合。本塁打も1本と物足りない成績だった。ところが、2年目にいきなり36本塁打と躍進。覚醒したといわんばかりの活躍を見せた。今回は、この村上のように「突如として覚醒したプレーヤー」を紹介する。

阪神藤川球児(2005年)


●藤川球児(阪神)

 現役選手の中で、最も「いきなり覚醒した」と思わせたのが阪神の藤川球児だろう。プロ1年目の1999年から2003年までの5年間でわずか2勝。先発ローテーションに食い込めるような活躍ができず一軍と二軍を行き来していた。このまま戦力外になる可能性もあったが、2004年に当時の山口高志二軍投手コーチの指導を受けたことで覚醒。ストレートの球速とノビがそれまでとは別物のようになった。この「火の玉」と称される速球を武器に、藤川は中継ぎ・抑えで活躍。ストレートの速度は全盛期より衰えたものの、2019年も56試合で23セーブと持ち前の投球技術は健在だ。

ヤクルト・山田哲人(2014年)


●山田哲人(ヤクルト)

 史上最多となるトリプルスリーを3度達成したヤクルトの山田哲人。プロ入り3年目の2013年に一軍に定着したが、94試合の出場で本塁打はわずか3本と、長距離砲というイメージはまったくなかった。しかし、翌2014年になって突如覚醒。前年を大きく上回る29本塁打を記録した。1シーズンだけ爆発する例はあるが、山田は2015年、2016年をともに38本と以降もコンスタントに本塁打を量産した。打力の向上は杉村繁打撃コーチの指導によるものだが、その指導があったからこそ、前人未到の3度のトリプルスリーが達成できたのだろう。

日本ハム大田泰示(2017年)


●大田泰示(日本ハム)

 現役では、日本ハムの大田泰示もいきなり成績が向上した選手だ。次世代の大砲候補として巨人にドラフト1位で入団した大田だったが、一軍に昇格しても思ったような結果が残せず、なかなか一軍に定着できなかった。しかし、2016年オフにトレードで日本ハムに移籍すると、まるで水を得た魚のように躍動。移籍1年目から一軍に昇格し、外野のレギュラーとして118試合に出場。打率.258、110安打、15本塁打、46打点と好成績を残した。翌2017年もレギュラーとして活躍し、2019年は132試合に出場。もはや日本ハムに欠かせない一員となっている。

広島嶋重宣(2004年)


●嶋重宣(元広島、西武
 すでに引退した選手の中では、広島や西武で活躍した嶋重宣が挙げられる。1995年ドラフト2位で広島に入団した嶋は、当初は投手としてプレーしていたが、勝利を挙げることができずに1999年に打者に転向。二軍では好成績を納めていたが、一軍では思ったような成績が残せず、出場機会を得られないでいた。しかし、2004年のオープン戦で活躍したことで開幕一軍を勝ち取ると、この年は137試合に出場。打率.337、189安打、32本塁打と驚異的な成績を残した。その活躍ぶりから「赤ゴジラ」というニックネームを付けられ、流行語大賞にもノミネートされた。

 今回紹介した選手のように、それまでまったくノーマークだった選手や、不調だった選手が突如活躍し、そのシーズンの主役になることも少なくない。果たして2020年シーズンはどんな選手が覚醒し、想像を超える活躍を見せてくれるのか、今から期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング