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2020シーズン、育成から再起を図る注目選手は?

 

 好成績を残してきた選手でも、結果が出せないシーズンが続くとあっさり自由契約になるのがプロの世界。ただ、中には自由契約になった後に「育成選手」として再契約するケースもある。今回は、そうした「育成から再起を図る注目選手」を紹介する。


●田中健二朗(DeNA)

 2007年のセンバツ甲子園で優勝し、同年の高校生ドラフトで横浜に1巡目指名されて入団。結果が残せないシーズンが続いたが、2014年に初めて開幕一軍入りを果たすと翌2015年はリリーフで35試合に登板する。以降はさらに登板数が増え、2016年は61試合、2017年は60試合に出場と、チームに欠かせない戦力に成長した。しかし、2018年は調子を落とし、登板はわずか11試合。2019年はトミー・ジョン手術を受けたため出場機会がなかった。同年11月に育成選手として契約し、2020年シーズン夏ごろの復帰を目指している。


●高橋朋己(西武)

 2013年ドラフト4位で西武に入団した高橋朋は、1年目から中継ぎで起用され、翌2014年は開幕から一軍に定着。チーム最多の29セーブを挙げる活躍を見せた。2015年は抑えに固定されたが、シーズン途中から不調により中継ぎに配置転換され、その後もケガで苦しむなど厳しいシーズンを送ることになる。2016年はトミー・ジョン手術を受けたが、復帰してからも思うようなピッチングができず2018年11月に自由契約となり、育成選手として再契約。2019年12月には再び育成で再契約となったが、もう後がないだけに奮闘を期待したい。


●森雄大(楽天)

 2012年のドラフトで楽天に1位指名されて入団。二軍ではコンスタントに成績を残すものの、一軍では思うような活躍ができないシーズンが続いた。2018年は5月に一軍に昇格すると、主に中継ぎで起用され、安定したピッチングを披露。9試合の登板ながら防御率2.37と今後の飛躍が期待できる成績を残した。しかし、2019年は血行障害を解消するための手術を行った影響で一軍登板はなし。シーズン終了後に育成で再契約をすることになった。手術を行ったことで不調も少しずつ解消されているといい、今シーズンは再び躍動する姿が見られるだろう。

楽天・福山博之


●福山博之(楽天)

 DeNAから楽天への移籍を機に中継ぎとして開花した福山は、2014年から2017年にかけて毎シーズン65試合以上に登板。2016年にはリーグ最多となる69試合に登板している。2017年オフに年俸が1億円を突破するなど順風満帆だったが、翌2018年は肩の不調から登板数が激減し、出場は21試合にとどまった。2019年も不調は続き、4月に出場選手登録を抹消。再起を懸けて右ヒジと右肩のクリーニング手術に踏み切った。リハビリに時間がかかることから、2019年11月に育成選手として再契約。今シーズンは再び支配下登録を目指すところからのスタートだ。


●黒木優太(オリックス)

 2017年にドラフト2位でオリックスに入団した黒木は、プロ入り1年目から一軍入りを果たし、開幕戦で早くも一軍デビュー。その後も中継ぎ、抑えとして起用され、13登板試合連続無失点を記録するなど、新人王も期待できる活躍を見せた。残念ながらシーズン後半に失速し新人王は逃したが、翌2018年も中継ぎとして重宝され39試合に登板。チームに欠かせない存在に成長した。しかし、2019年に右ヒジ靱帯(じんたい)の炎症と骨化が見つかったため、トミー・ジョン手術を受け、シーズン終了後に育成選手として再契約。最下位からの脱却を図るチームにとって、黒木の復活は必要不可欠だろう。

 「育成から再起を図る注目選手」を紹介した。最近では、楽天の久保裕也が支配下から育成に契約が変わった後に、支配下登録を勝ち取っている。一度育成となっても再び一軍で輝くことは夢ではない。2019年に手術を受けた選手の再始動はもうしばらく先の話になるが、彼らが再び一軍で躍動することを期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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