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各球団にゴロゴロ……「現役ドラフト」の実現で生き返る選手は?

 


 日本プロ野球選手会が実施を求めている「現役ドラフト(ブレークスルードラフト)」の動向が注目されている。選手の出場機会を増やし、球団による「飼い殺し」をなくすことが大きな目的だ。昨年12月5日の選手会定期総会で、20年シーズンからの導入を日本野球機構(NPB)に強く要望することを決議した。

 選手会が参考にしているのはアメリカで導入されている「ルール5(ファイブ)ドラフト」と言われている。有望な選手をマイナーで飼い殺しにするのを防ぐために毎年行われているもので、メジャー40人枠から漏れている選手の中で、18歳以下で入団した選手なら在籍5年以上、19歳以上の入団ならば在籍4年以上の選手を他球団が指名できる。

 現場の首脳陣、選手の間では何年も前からこの制度の実現を望む声が多かった。ある球団のコーチは「他球団と試合すると、『良い選手なのにもったいないなあ。うちに来ればいいのに』と思う選手は何人もいますよ。選手は旬の時期に実戦で使ってあげないと可能性が消えてしまうんです。若手だけでなく、伸び悩んでいる中堅の選手たちは新天地でチャンスが与えたほうがいいケースもあります。トレードは相手もあることだしまとまらないケースのほうが多い。現役ドラフトだと獲得のハードルが下がるし、ぜひ実現してほしい」と話す。

 複数球団の首脳陣から話を聞くと、「現役ドラフト」で獲得したい選手として、以下の名前が挙がった(選手は支配下登録に限定)。

中塚駿太西武
最速157キロ右腕もプロ3年間で1軍登板は3試合のみ。昨季は一軍登板なしに終わった。
制球力が改善されれば大化けの可能性も。

真砂勇介ソフトバンク
「右の柳田悠岐」と呼ばれるほどの身体能力だが、殻を破れない。昨季も一軍出場は12試合のみ。バレンティンが加入し、外野の定位置争いは激化している。

白村明弘日本ハム
昨年2月のキャンプ終盤に野手転向した。身長187センチ、86キロの恵まれた体格からパンチ力があり俊足だが、日本ハムの外野陣は選手層が厚く出場機会を得るのが難しい。

宗接唯人ロッテ
ファームの正捕手。長打力は捕手の中で群を抜いている。正捕手を務める同学年の田村龍弘、1学年上の柿沼友哉の台頭で厳しい立場に。

岩見雅紀楽天
東京六大学リーグ21本塁打。練習では誰よりも飛ばす「和製バレンティン」だが、2年目の昨季は一軍出場なし。確実性が課題だ。

金田和之オリックス
若手の台頭もあり、昨季はオリックス移籍後最少の6試合登板。ファームでは安定した投球を続けている。

桑原樹広島
高卒5年目の昨季はウエスタンで18盗塁。遊撃を本職とするが、一軍に田中広輔、2年目の小園海斗が控えている。

藤井亮太ヤクルト
昨季は自己最少の6試合出場に終わった。捕手、内外野とすべてのポジションをこなせるユーテリティープレーヤー。

・立岡宗一郎(巨人)
2015年に規定未到達ながら打率.304をマーク。一軍での経験豊富だが、若手の台頭もあり、昨季は25試合出場と不本意なシーズンだった。

関根大気DeNA
走攻守3拍子そろった選手でポテンシャル高いが、なかなか一軍定着できない。今年でプロ7年目。このまま終わるのは惜しい。

石川駿中日
昨季はファームで首位打者、最高出塁率の2冠も、秋季キャンプはメンバー外。主に守る一塁はビシエド、三塁は高橋周平とレギュラーの壁が高い。

板山祐太郎阪神
攻守走でバランスの取れた外野手だが、昨季はプロ入団4年目で初の一軍出場なし。本職の外野だけでなく、内野もすべてのポジションを守れる。

 現役ドラフトが実際に今シーズンから導入されるのか。新天地でどの選手が大ブレークするか注目される。

写真=BBM
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