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2020春季キャンプ

名将が認める嶋基宏の人間力

 

感情を笑顔に隠した嶋


 2月11日の練習後、今季からヤクルトに加入した嶋基宏のインタビューを予定していた。小社で作成している雑誌、高校名門校シリーズ「中京大中京高校」のための取材だった。

 しかし、ウォーミングアップ後の記者席で「ノムさんが亡くなったみたいです」の一声で、報道陣は大騒ぎに。球団広報も対応に追われた。ヤクルト監督時代、チームを4度のリーグ優勝と3度の日本一に導いた、野村克也さんという偉大な方を亡くしたのだから、騒ぎになるのは当然だろう。

 現役時代、クローザーとしてヤクルトの黄金時代を支えた高津臣吾監督らの囲み会見も行われた。野村さんの楽天監督時代の教え子でもある、嶋基宏の囲み会見もあった。高津監督も嶋も、時折声を詰まらせながら、何度も目元をぬぐう。お世話になった恩師の訃報に、「言葉にならない」「実感が沸かない」と漏らし、目を真っ赤にした。

 そんな気持ちが追いつかない中でも、嶋は練習後のインタビューに来てくれた。明る過ぎるくらい明るく振る舞い、時折冗談も挟む。インタビューの内容は中京大中京高時代のものが主だが、嶋は高校から大学、そしてプロでも「恩師に恵まれた」と言った。そして嶋の恩師たちもまた、嶋の人間性を称えている。恩師を亡くしたときでも、プロ野球選手として真摯に対応する。多くの名将に認められた男の“力”が感じられた。

取材・文=依田真衣子 写真=BBM

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