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セ・リーグ6球団 最後の首位打者は?

 

読売ジャイアンツ



 2016年に坂本勇人が、打率.344でセ・リーグの遊撃手としては史上初めて首位打者に。実はこのシーズン、過去の自分をすべて捨てる覚悟でフォームの改造に取り組み、これが功を奏した。以降は17年=.291(9位)、18年=.345(2位)、19年=.312(5位)と好成績をキープしている。特に19年は主に二番に座ってキャリアハイの40本塁打も放っており、一時は三冠王も射程圏にとらえていた。今季は通算2000安打まで残り116本と大台到達はほぼ確実で、榎本喜八(元毎日ほか)の持つ通算2000安打最年少記録の31歳と229日を更新できるかどうかに注目が集まっている。なお、タイムリミットは、20年7月29日(坂本勇人の誕生日は12月14日)だが、オールスターと五輪による中断があるため、7月18日がリミットとなる。

横浜DeNAベイスターズ



 2017年に宮崎敏郎が打率.323で初の首位打者に輝いている。13年に社会人のセガサミーからドラフト6位で入団。ケガなどもあり、なかなか一軍に定着できなかったが、17年にラミレス監督が三塁のレギュラーに指名すると、指揮官の期待に結果で応えた。4月にケガで戦列を離れるも一軍復帰となった5月以降は持ち前のバットコントロールで安打を量産。6月に規定打席に到達すると、首位打者に浮上した。シーズン中盤以降、相手投手のマークが厳しくなり成績を落とす時期もあったが踏ん張り、球団では13年のブランコ以来、4年ぶりのリーディングヒッター誕生となった。今季はメジャー移籍の筒香嘉智に代わりソト、ロペスと並んでベイ打線の中核となる。

阪神タイガース



 2010年、阪神に入団したマートン。この年、一番打者として開幕から5試合連続安打を放ち勢いをつけると、当時としてはNPB記録となる年間214安打を放った。ただ、.349という高打率だったが、首位打者はヤクルト青木宣親の手に。マートンは11年も3割超えで、チームの中心打者に。そして2014年に打率.338で初の首位打者に輝いた。結局、翌15年限りで退団したが、NPB通算打率は.310。現在でも10年の214安打はNPBの右打者、外国人選手、そしてセ・リーグのシーズン最多安打記録となっている。

広島東洋カープ



 広島では昨季、鈴木誠也が2004年の嶋重宣以来、チーム15年ぶりの首位打者に輝いた。個人タイトルよりチームの勝利を追求する選手だけに、特に首位打者に対する意識はないはずだが、とにかく常に打撃を探求し続ける姿勢が、このタイトルの獲得を可能にしたと言える。例えばこのキャンプでも、新外国人のピレラの構えやタイミングの取り方が独特だと思えば、早速、構えやフォームをちょっとマネしてみる、といった具合で、いつもヒントを探し続けている。ゲームの中でも、足を上げる高さを、状況やその時の感触に応じて変えるなど、高い柔軟性を持つ。この姿勢がある限り、今後も鈴木誠が首位打者の有力候補であり続けることは間違いないだろう。

中日ドラゴンズ



 ビシエドが、2018年に首位打者と最多安打の2冠に輝いている。16年から加入した助っ人だが、1年目は打率.274、2年目は.250で、決してアベレージを残すタイプの打者ではなかった。ところが、首位打者となった18年は打率.348と飛躍。3年目で日本の野球に慣れたこともあるが、内角球を「捨てる」意識を持ったことが大きい。これまで手を出してしまっていた内角のボール球を、冷静に見極めるようになった。18年に首位打者となり、より警戒されるようになった昨季でも、打率.315でリーグ2位と安定感は変わらない。今季も不動の四番として、打線の中心を担う。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・川端慎吾


 山田哲人畠山和洋の前に座り、「バントをしない二番打者」として2015年のリーグ優勝に貢献した川端慎吾。この年、セ・リーグトップの195安打をマークし、打率.336で首位打者に輝いた。バットコントロールに長け、打席では厳しい球をファウルにして粘り、甘い球を逃さずとらえて安打を量産した。その後もチームの中心選手として期待されたが、17年の春季キャンプ中に腰部の椎間板ヘルニアを発症、8月に手術を受けた。その後も故障の影響が尾を引き、今年の春季キャンプは不参加に。まずはコンディションを万全にし、再び本来の打撃技術を披露したい。

写真=BBM
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