背番号は選手の顔となる。だからこそ、選手の思い入れも強い。
オリックス・山本由伸が、今季から球界のエースナンバー『18』を着ける。その決意は週刊ベースボール2月10日号の『背番号特集』で、かつて『オリックスの背番号18』を着け、山本を担当スカウトとして獲得した
山口和男氏との対談で語っていただいた。だが、前番号を忘れるわけではない。誌面スペースの都合上、掲載できなかった昨季までの背番号『43』へのエピソードが下記だ。
◇ ◇ ◇ ◇
──ドラフト4位ルーキーの前佑囲斗投手の背番号『43』は、山本投手の影響もあるのでしょうか。
山口 すごくあります。由伸が43を着けて結果を出してくれました。43=山本由伸が浸透したわけです。その中で、由伸と同じドラフト4巡目指名の高卒投手と共通点もありましたから。前君にも背番号を伝えたときに、すごく喜んでくれたんです。そもそも、前君を見に行ったときに感じるものがあったんですよ。由伸と通じるもの。うまく表現できないですけど、由伸くらい活躍できると感じるものがあったんです。
山本 そうなんですか。僕も前君のことは気になりますね。僕は背番号43で少し活躍できたので、前君が43で活躍してくれれば,背番号の価値も上がるし、出世番号にもなる。いい番号にしてほしいなと思います。
◇ ◇ ◇ ◇
1年目の今春キャンプは二軍と育成方針の前は「オリックスの大エースの山本さんが着けていた番号を絶対に汚さないように、オリックスのエースと呼ばれるような投手になりたい」と決意を胸にプロ野球人生をスタート。最速152キロの直球に、スライダー、フォーク、ツーシームなど多彩な変化球を操る右腕は、近い将来にブレークし、昨季12球団唯一の防御率1点台でタイトルを獲得した山本に続くことができるのか。出世番号が確立となれば、若手投手が続々と芽を出しているチームの勢いは加速する。背番号43にも注目だ。
写真=BBM