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週べ60周年記念

大洋・平松政次の魔球シュート/週ベ回顧

 

 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

長嶋茂雄のプロの技


表紙は大洋・平松政次



 今回は『1970年8月17日号』。定価は80円。

 巻頭からひしと抱き合う阪神江夏豊田淵幸一の1枚。
 7月31日、甲子園で行われた阪神─巨人戦だ。阪神・江夏、巨人・堀内恒夫の投げ合いで試合は延長戦に入ったが、11回裏、田淵のサヨナラヒットで阪神が勝利を飾った。

 巨人一強は変わらないが、各チームに新しいスターが続々登場していた。
 対巨人で3試合連続完封の大洋・平松政次もその一人だ。
 オールスターでは全パの監督・西本幸雄(阪急)が「速いし、コントロールがいい。現在の日本一じゃないか」と絶賛。巨人・長嶋茂雄も「平松の球は狙っても打てないんだ」とぼやいていた。

 平松の武器は真っすぐよりも速いと言われたシュート。投げ方も「わずかに腰を早く開くだけで指先の特別なひねりはしない。直球と同じだからヒジにもこない」と言っていた。
 
 黒い霧は収まってきたが、西鉄の経営危機は変わらない。
 西鉄本社の吉本弘次が7月7日記者会見を開き、「九州ライオンズとして再出発したい」と発言。経営協力してくれる企業探しを始めた。
 九州財界の大企業の反応は鈍いが、その企業のトップが名前をつらねるライオンズ後援会は支援の姿勢を明らかにした。
 ねじれにも思うが、どう決着するのか。

 クソ暑い季節が来たが、毛糸の腹巻をいつもしている選手がいた。
 近鉄の永淵洋三である。ナインからは「植木等スタイルですね」とからかわれるが、当人は「ノンプロ時代からやっているもの。これをしないと気持ち悪くてねえ。慣れると気持ちいいものですよ」。
 さらには、
「人間が変わっているからカッコウまで人と違うんですよ」
 と笑っていた。

 巨人・長嶋茂雄が最近、打者によって守備位置を微妙に移動し始めたと話題になった。それがずばりと当たり、三塁線のゴロを捕球し、アウトにする超ファインプレーの後、「なぜあの球を捕れたのか」と聞いた。データでもあったのかと思っての質問だったが、答えが長嶋らしい。
「バッターのユニフォームのしわがいつもと違っていた。それで、こっちを狙っていると感じたんだ」

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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