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西武・内海哲也がブルペンで104球。松坂大輔との再会も心待ちに

 

「やっとここまで来たなという感じです」


西武内海哲也(写真は昨春キャンプ)


「ナイスボール!」

 2月19日午前10時半を少し回ったころ、高知・春野総合公園球技場のブルペンでは、何度もブルペン捕手の喜悦の声が上がった。その言葉を聞くごとに、投げた内海哲也はうなずき、目の輝きを強めていった。

 昨年10月24日に左前腕・筋腱修復手術を受けた。昨シーズン開幕前に痛みを発症し、治療とリハビリを経て8月から二軍戦で実戦復帰。7試合に登板したが、「痛かったし、怖かったし、『また痛みが出るんじゃないか』という不安の中でやっていました」。完全復帰への光は一向に見えてこなかった。だが、思い切ってメスを入れたことで一変。「今、痛みも怖さもなくて、思い切り腕が触れている状況。たぶん、手術をしていなかったら、こんなに投げられていないと思います。リハビリを含めて、ドクターのみなさん、トレーナーのみなさんに助けていただいて、やっとここまで来たなという感じです」。感謝とともに充実のキャンプを送っている。

 この日のテーマは「100球」。「100球を投げて、ヒジ肩の患部の状態はどうかというところだったのですが、投げ終わった後も全然痛くないし、嫌な張り感もない。状態良し! です」と順調にクリアした。内容も上々で、直球に加えチェンジアップ、スライダー、カットボール、フォークボールなど、多彩な変化球も織り交ぜながら104球を投げ込んだ。中でも真っすぐが充実しており、投球を見守った青木勇人三軍投手コーチからも「真っすぐ、良いね!」と言葉が飛んだ。また、この日に限らず、2日前の17日にブルペンで球を受けた岡田雅利も、「初めて内海さんの球を受けさせてもらいましたが、(術後だけに)ここまで強い球が来るとは思っていなかった。スライダー、チェンジアップも『さすが』と思う良い球やし、ほんまに楽しみです」と太鼓判を押した。打者に中村剛也を立たせたこともあり、「さんちゃんが立ってくれて、気合も入った」と徐々に実戦へ向けてのイメージをふくららませている。

 次のクールからは、打撃投手として登板する予定だ。「打者に対して投げると、もっとフォームに変化が出てくると思うので、そこで出た課題をまた修正していったり、打者相手で力を入れて投げた後に、張りや痛みが出ないかなど、これからは実戦に向けての細かな確認作業になってくると思います」。

慎重に慎重を重ねて


 とはいえ、決してすべてを楽観視しているわけではない。「去年はそれで、焦りすぎてやった結果がああなってしまいました。じっくりと段階を踏んで、去年の二の舞にならないようにしっかり確認しながらベストの状態に持っていけるように頑張ります」と慎重に慎重を重ねていく姿勢だ。

 奇しくも同じ時間、宮崎・南郷のA班では、松坂大輔が今キャンプ初の打撃投手として登板し、順調さをアピールした。「早く会いたいんですよ。高知に来るの、楽しみにしています」と内海もあこがれの存在との再会を心待ちにしているという。

 高橋光成今井達也松本航ら若い投手の台頭に期待がかかる一方で、松坂、内海という超一流の経験もつ熟練投手2人もまた、充実の表情を見せている。今季の西武投手陣は、本当に見どころ満載だ。

文=上岡真里江 写真=BBM
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