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巨人、激化する支配下昇格をめぐる争い

 

支配下昇格に向けてアピールを続ける巨人のI.モタ


 巨人の育成I.モタ(外野手)の勢いが止まらない。2月22日の日本ハムとのオープン戦(名護)では、「三番・左翼」で先発出場し、今季初アーチを含む4打数3安打2打点の大暴れ。キャンプ中の実戦9試合では32打数11安打、打率にすると.344に、トータル9打点と猛アピールを続けている。

 春季キャンプはファームでスタートも、阿部慎之助新二軍監督の直接指導もあり、2月4日の一軍との紅白戦では決勝打。その後、8日の一軍紅白戦に招集されると、ここで3安打2打点をマークし、一軍昇格と那覇二次キャンプ行きの切符をつかんでいた。

 2018年にドミニカ共和国内で巨人が実施したトライアウトに2度目の受験で合格し(前年は不合格)、19年に育成契約。昨季はイースタンで22試合のみの出場にとどまったが、そのパワーはケタ外れで、この春季キャンプで誰もが知るところに。22日の日本ハム戦でも8回先頭で打席に立つと、フルカウントから外角低めのフォークを、体勢を崩されながらも強振して左中間スタンドへ。原辰徳監督も「うまい具合に風に乗せましたね。スピンを利かせられる打者はそうそういませんから」と絶賛。自らのバットでまた一歩、支配下昇格に近づいたかっこうだ。

 左翼と一塁を守るが、このままオープン戦期間で結果を残し続ければ、両ポジションのレギュラー争いにも加わるのではないか。左翼では亀井善行の対抗馬に、レギュラー不在の一塁では本命に躍り出る可能性もゼロではない。

 同じく育成から支配下昇格を目指す選手では、高卒2年目の育成右腕・沼田翔平も着実に評価を高めている。

 杉内俊哉二軍投手コーチの推薦もあり、沖縄から本格的に一軍に合流した沼田は、ここまで沖縄での実戦3試合で無失点。22日の日本ハム戦では2点リードの6回に3番手で登板、一番から始まる上位打線だったが、西川遥輝を左飛に打ち取ると、二番・松本剛を遊ゴロ、続く近藤健介には四球を与えたものの、四番の横尾俊建を三ゴロに打ち取った。

 まだ19歳で昨季はイースタン3試合登板のみと経験が浅く、この試合でも「一軍で実績のある打者(近藤)に対して、自分で窮屈なピッチングにしてしまいました」と反省の繰り返しだが、原監督は投げっぷりの良さを評価。さらなるアピールを期待している。

 現在、支配下登録は65人で、上限まで5枠を残す。指揮官は育成(26人)からの昇格見通しについて「3人くらい」と明かしているが、果たして限られた枠をつかみ取るのは誰か。注目してほしい。

文=坂本 匠 写真=小山真司
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