福岡ソフトバンクホークス
バレンティンが加入して攻撃力アップが期待される中軸へのつなぎ役として、重要な意味を持つリードオフマン。昨季、チーム最多の54試合で同ポジションを担った
牧原大成がキャンプ終盤に腰を痛めて離脱する中、今季初の対外試合となった2月23日の
オリックスとのオープン戦(SOKKEN)でアピールしたのが周東佑京だ。「一番・二塁」でスタメン出場すると、初打席で自慢の快速を飛ばして三塁打。第2打席は昨季からのパワーアップを見せつける3ラン。そして、第3打席にも右前打を放ち、3安打3打点の活躍。出塁すれば相手バッテリーへのプレッシャーは人一倍強まるだけに、リードオフマンにはうってつけの韋駄天。このままの勢いを継続し、定位置獲得なるか。
北海道日本ハムファイターズ
栗山英樹監督が絶対的な信頼を寄せる背番号7が、今季も不動のリードオフマとして打線をけん引する。プロ10年目を迎えた西川遥輝。ここまで出場した実戦すべてで「一番・センター」を任され、そのポジションはもはやこの男以外しかいない。昨季は打率こそ3割を割ったが、シーズンで93個の四球を選び、出塁率も.393。追い込まれても卓越したバットコントロールで粘り、武器の1つである選球眼の良さで何度もチャンスメークした。さらに塁に出れば、盗塁王3度獲得の足技で次の塁を果敢に狙うスピードスター。「2020年は圧倒的な数字を残したいと思っていますし、死ぬ気でやりたい」と今オフにもポスティングでのMLB挑戦の夢も描く27歳が、チームの4年ぶり覇権奪回の旗手となる。
埼玉西武ライオンズ
強力打線を牽引するトップバッターの有力候補が金子侑司だ。長らく一番を務めていた
秋山翔吾がメジャー移籍。その空いた穴を埋めるべく、自主トレから精力的にトレーニングに励んだ。昨年も開幕から一番に座ったが成績が上向かず、5月下旬から九番が主な指定席に。それでも41盗塁をマークして、3年ぶりのタイトルを奪還。オフには4年契約を結び、背番号もあこがれの
松井稼頭央二軍監督が現役時代に着けていた「7」へ。「『やっぱり一番を金子に任せよう』と思ってもらいたい」と闘志を燃やす。対外試合でも一番を任されているが、結果を残し続けてその座を不動のものとする。
千葉ロッテマリーンズ
打線において唯一、固まっていると言っていい打順が「一番」だ。アクシデントがない限り、開幕スタメンに名を連ねるのは荻野貴司になるだろう。昨季はプロ10年目にして初の規定打席に到達すると打率.315をマークしてベストナインとゴールデン・グラブ賞に輝き、高いポテンシャルを証明してみせた。
井口資仁監督は
福田秀平のFA加入が決まった際も「荻野と足でかき回してほしい」と一番・荻野、二番・福田秀の構想を口にしている。今年で35歳を迎えるものの衰えとは無縁の“千葉の韋駄天”が打線の着火役となる。
東北楽天ゴールデンイーグルス
一番打者の筆頭候補は今季から主将に就任した
茂木栄五郎だが、ここに来て暗雲が立ち込めている。2月12日の朝に発熱し、右リンパ節炎と診断され、数日間の休養を経て一軍へ合流。それでもコンディションが上がらず、22日に再調整のため二軍行きとなってしまったのだ。こうなると、クローズアップされるのはドラフト1位ルーキーの小深田大翔。オープン戦開幕戦となった22日の
DeNA戦(宜野湾)で3安打をマークすると、23日の
巨人戦(那覇)では巨人・
菅野智之から適時打を放った。突如訪れた最大のチャンスを生かし、「一番・遊撃」の座を奪取できるか。
オリックス・バファローズ
昨季、チームトップの92試合で一番を務めた福田周平が、今季もリードオフマン候補の筆頭だ。昨季の一番での打率は.246ながら、チーム最多の30盗塁を記録し、62四球を得て出塁率は.342。それでも「今年はもっと出塁率にこだわりたい。目標は4割。盗塁も40できるように」と、チャンスメークを心掛ける。昨季は主将を務めたが、今季はプレーに集中させたいという首脳陣の以降で制度を廃止。二塁の定位置も、
大城滉二や
西野真弘らも控えており安泰でなく、オープン戦でも求められるのは結果だ。
吉田正尚、
ジョーンズと中軸が固まりつつあるだけに、今季は一番が果たす役割は大きくなる。背番号4の奮闘はチームの浮上に直結するだろう。
写真=BBM