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セ・リーグ6球団、2020シーズン一番打者候補は?

 

読売ジャイアンツ



 順当ならば、腰痛から復帰の吉川尚輝が座る。昨季も開幕から離脱するまで11試合で一番を打ち、打率は.390と打線を引っ張った。吉川尚離脱後は紆余曲折を経て37歳の亀井善行が代役を務め、二番・坂本勇人以降の“クリーンアップ”につないで5年ぶりのV奪回をもたらしたが、本来はこの役割を吉川尚が果たすはずだった。キャンプを見る限り、腰の不安はなさそうだが、東京五輪で中断期間があるのも救い。勝負強い亀井を下位に回し、打線に厚みを持たせる利点もある。原辰徳監督が理想に掲げた攻撃的オーダーの進化は、吉川尚がカギを握っているといっても過言ではない。

横浜DeNAベイスターズ



 3年目の神里和毅が有力候補だ。本人も「一番でフルイニング出場」と目標を明確に掲げており、実戦でも結果を残している。2月19日、ロッテとの練習試合(宜野湾)では一番に座り、三塁打、犠飛を含む2安打2打点としっかりとアピール。とはいえ、昨年もオープン戦序盤は打撃が好調も後半に極度の不振に陥り、開幕スタメンを逃しているだけに油断は禁物だ。「(一番は)誰にも譲る気はないという気持ちでやっていきたい」と気を引き締める。

阪神タイガース



 矢野耀大監督の打線構想の中に「二番・近本光司」が理想としてある。昨季100試合以上で一番を務めた近本光司が今季は二番で固定されそうだ。そこで練習試合やオープン戦では多くの選手が一番打者として試されている。候補としては、糸原健斗木浪聖也などが試験的に起用されているが、2月23日の広島戦(沖縄)ではベテランの糸井嘉男がその座に。初回にいきなり安打を放つなど、可能性を示した。もともとクリーンアップを任され、長打力もあり、俊足の糸井が一番に入れば他球団も脅威に感じるはずだ。開幕一番の可能性も大いに考えられる。

広島東洋カープ


広島・田中広輔


 広島の一番打者は、現状では右ヒザの手術を経て復活した田中広輔が第一候補だ。一番打者として2016〜18年の3連覇を支えた実績があり、以前同様の打撃が取り戻せればすんなりと収まる可能性もある。高い出塁率をキープできるかどうかがカギだろう。とはいえ、田中広もまだ定位置が約束されているわけではなく、まずは小園海斗との遊撃手争いに勝ち、その上で成績を出していかねばならない。第2候補は、昨年14盗塁をマークした野間峻祥だが、こちらもレギュラーは確約されておらず、争いの最中。田中広、野間が2人とも定位置を奪えなかったり、出塁率が上がらないときには、小園海斗、宇草孔基高橋大樹あたりからの抜てきとなる可能性も。

中日ドラゴンズ



 オープン戦初戦(2月22日、対阪神=北谷)でも斬り込み役を任された、大島洋平が濃厚だ。昨季は最多安打のタイトルに輝いたヒットメーカーは、チーム最多の30盗塁も記録している。リーグ1位のチーム打率.263を誇った打線だが、得点はリーグ5位の563。得点力を上げるため、ビシエド福田永将が座るクリーンアップに、チャンスでつなぎたいという首脳陣の思惑もある。大きな好不調のない巧打者・大島が先頭なら、好機を演出できる可能性が高まるだろう。もちろん、長打も狙える平田良介や、俊足が持ち味の京田陽太も候補ではある。だが、チームで最も打って走れる男が「一番打者が一番いい」と話すのだから、斬り込み役を譲る気はないはずだ。

東京ヤクルトスワローズ



 不動の四番だったバレンティンが抜け、新打線で挑むことになる2020年シーズン。高津臣吾監督がオープン戦で画策しているのは二番・山田哲人、三番・青木宣親という並びだ。得点力アップへ向けては一番打者の働きがこれまで以上に重要となる。今季もその一番手にいるのは坂口智隆だろう。昨季は開幕3戦目に左手に死球を受けて骨折。復帰後も「ずっと痛みが取れなかった」と調子を取り戻すことはできず、一軍戦はわずか22試合の出場にとどまった。それでもオフにバットを振り込んできた成果もあり、状態は上向き。2011年に175安打をマークしたヒットメーカーの完全復活が、スワローズの浮沈のカギとなりうそうだ。

写真=BBM
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