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今季の巻き返しを図る、昨季負傷に苦しんだ選手

 

 己の限界に挑み、技術を磨き続けるプロの世界は、常にケガと隣り合わせ。どんな名選手でも、引退まで無傷というのは難しいものだ。昨シーズンも、活躍を期待された選手が何人も負傷し、思うようなプレーができなかった。今回は、今季に巻き返しを図る「昨季負傷に苦しんだプレーヤー」を紹介する。

昨季負傷に苦しんだソフトバンク主力陣



 昨季、負傷に苦しんだ選手としてまず挙げられるのは、ソフトバンクの柳田悠岐。2015年にトリプルスリーを達成して以降、ヒジやヒザの負傷に悩まされており、2019年も「左半膜様筋腱損傷」の影響で大幅に出遅れた。復帰後も満足にプレーできず、出場はわずか38試合と、レギュラーをつかんでから自己最低の記録となった。昨シーズンオフに右ヒジを手術した影響で春キャンプは二軍スタートとなったが、ここまでは順調そのもの。2月14日に第二子が誕生したことも、復活への大きなモチベーションになるだろう。

 柳田以外にも、昨季のソフトバンクはケガ人が続出した。上林誠知もその一人だ。2018年には全試合に出場し、さらなる飛躍が期待された2019年だったが、春キャンプで背中の張りを訴えて離脱。シーズン序盤には右手甲に死球を受けて骨折し、厳しいシーズンを送ることになった。同じくソフトバンクの主力だった中村晃も自律神経失調症や腰痛の影響で大きく出遅れた。上林とともに今シーズンの巻き返しを図りたいところだ。

 ただ、ソフトバンクはけが人が続出しながらもシーズンを2位で終え、CSではリーグ優勝した西武を圧倒的な力で粉砕。その勢いのまま日本一にも輝いた。昨季負傷で苦しんだ選手が万全になれば、さらに手が付けられないチームになるだろう。

開幕一番を目指す平田と吉川


 中日打撃陣の一角を担っていた平田良介も昨季負傷に苦しんだ選手だ。昨シーズンは開幕から一番打者を任されていたが、5月に肉離れで離脱。復帰後の8月には右手首に死球を受け、治療のために登録抹消となった。2018年にはサイクルヒットを達成し、キャリアハイとなる打率.329を記録した平田だが、2019年は不本意な1年となってしまった。

 平田と同じく、昨シーズン開幕戦から一番打者を担っていた巨人吉川尚輝は、4月に腰痛の影響で登録を抹消。開幕11試合で打率.390と好調で、チームを牽引する存在だっただけに離脱はチームにも大きな影響を与えた。その後も調整が長引き、結局シーズン終了まで一軍に復帰できず。今季はキャンプから好調で、このまま順調なら、再び開幕一番に抜擢されるだろう。

 2018年に球団史上2人目となる捕手での全試合出場を果たしたロッテ田村龍弘だが、2019年は厳しいシーズンとなった。4月に背中の張りを訴えて連続出場記録が途絶えると、5月には右太もも裏を負傷。これが原因で登録抹消となった。復帰後は順調に試合数を重ねて最終的に100試合に出場したが、チームはあとわずかのところでCS出場を逃した。チームの要だった田村の離脱がなければ、もう少し勝ち星を積み上げられた可能性もある。若手の柿沼友哉が成長していることもあり、ポジションを守るためにも奮起したいところだ。

 今季の巻き返しを図る、昨季負傷に苦しんだ選手を紹介した。春季キャンプで二軍スタートになった選手もいるが、いずれも調整は順調。チームに欠かせない選手だけに、見事な「復活」を期待したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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