昨季、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで
ソフトバンクの前に4連敗を喫した西武で、試合後に人目をはばからず涙を流したのは源田壮亮だった。
「泣いたのはプロに入ってから初めてですかね。最後のバッターでもありましたし、CSでは何もできなかった」
ショートとして全4試合に出場したが、ソフトバンク投手陣の前に16打数3安打、打率.188に終わり、ただただ悔しい感情があふれ出て自然と涙腺が緩んだ。しかし、後悔だけではすませない。新たな決意も源田の中で芽生えた。
「ああいう試合で、何か起点になれる、流れを変えられるようなプレーができる選手になりたいと思ったのは事実です」
そのためにはどうすればいいのか。明確な答えがあるわけではないが、シーズンを通して貫いていく思いはある。
「どんな試合でも1打席、1球とかをムダにしたくはないなというのはあるので、どれだけ負けていても、1打席とか、1球を大事にして、それをずっと積み重ねていきたいというのはあります」
今季からメジャー移籍した
秋山翔吾に代わり、キャプテンを務める。左胸に輝く「C」マーク。
辻発彦監督も「どのように変わってくれるか楽しみです」とさらなる期待をかける。リーグ3連覇、そしてCSを突破して日本一へ。悲願達成のために背番号6が果たすべき役割は大きい。
文=小林光男 写真=BBM