千葉ロッテマリーンズ
出遅れている
荻野貴司が開幕に間に合えば、一番・荻野、二番・福田秀平という強打俊足のアグレッシブな一、二番コンビが完成する。
ソフトバンクではスーパーサブとしての役割が多かったものの、福田秀にとって実力はレギュラークラスであることを証明するシーズンになる。2月29日の
楽天戦(ZOZOマリン)では先頭打者弾を放つなど、バットの状態も上向きだ。荻野の代わりに福田秀が一番に回っても、
角中勝也や
マーティンといった強打の左打者が代役を務めるだろう。
井口資仁監督の“攻撃的二番”という構想にブレはないはずだ。
福岡ソフトバンクホークス
不動のポジションになりつつある。昨季は左太もも裏痛の影響で離脱を余儀なくされた今宮健太だが、今季は「まずは全試合。ベストはフルイニング」とシーズン通じての活躍を視野に入れる。そのために打撃でも、さらなるチーム貢献を誓う。昨季はシーズン序盤、一時、打率リーグトップを記録するほど安打を重ねた。力強いスイングでしっかりとコンタクトすることで、長打力もアップ。これまでの“つなぐ二番”から“攻撃的な二番”の要素も濃くなってきた。
柳田悠岐、
デスパイネ、
グラシアルに、今季から
バレンティンが加わった中軸の破壊力は12球団屈指。大量得点奪取へ、その前を担う今宮の打撃がカギを握る。
北海道日本ハムファイターズ
キャンプでの実戦、オープン戦では新たな選択肢として
近藤健介、
渡邉諒、
石井一成が入るパターンも
栗山英樹監督は試しているが、今季も最終的に二番を任されそうなのは大田泰示だ。昨季は「バントをしない超攻撃型二番」として打線のアクセントとなり、ホームランも自己最多の20本をマークした。一方で併殺打も多かったのは課題として残るが、一番・
西川遥輝、三番・近藤健介に挟まれる二番・大田は相手バッテリーにとって気の抜けない脅威の存在になる。「自分が二番バッターの固定概念を変えたい」と意気込む男が、つかみ取った新たなポジションで2020年も抜群の存在感を発揮していく。
埼玉西武ライオンズ
強力打線の“不動の二番”は源田壮亮だ。入団した2017年以来、一貫してその座を務める。今季は
秋山翔吾がメジャー移籍した関係で、一番に新たなパートナーが座るが、それは昨季の盗塁王・
金子侑司が濃厚だ。3月1日、
DeNAとのオープン戦(長崎)では初回、一番・金子が左前打で出塁すると、二番・源田の打席で2球目にすかさず盗塁成功。このチャンスに源田は適時三塁打を放ち、あっという間に先制点を挙げた。さらに源田は三番・
森友哉の遊ゴロの間にホームへ生還。今季はこういったシーンが数多く見られそうだ。
東北楽天ゴールデンイーグルス
今季から楽天に加わった鈴木大地が二番を任される可能性が高い。内野の全ポジションに加えて外野も守れて、あらゆる打順に対応できるユーティリティー性が最大の武器。昨季、ロッテではチームトップの13犠打を決め、四死球での出塁も多く、出塁率もトップの.373。そして15本塁打とパンチ力も兼備しており、相手にとっては非常に厄介な存在。
三木肇監督が掲げる「1点をもぎ取り、守り勝つ野球」を実現させるために、欠かせない存在となりそうだ。
オリックス・バファローズ
打撃センスが光る背番号67を二番に置いて攻撃バリエーションを増やしていく。新人年の昨季に111試合に出場し、105安打をマークした中川圭太。交流戦では打率.386を残して、史上初の新人での交流戦首位打者を獲得するなど実力は証明済み。右方向への軽打に加えて一発も秘めるなど、“強打”も可能な中川を二番に据え、チャンス拡大を狙う。昨季はリーグ最多の101犠打と“小技”で着実に1点を奪いにいくものの、得点数はリーグ最下位の544。得点力アップが最大の課題だけに、今季の二番は“強攻策”も選択肢に入れ、三番・
吉田正尚、四番・
ジョーンズ、五番・モヤのクリーンアップにつなぐ形をつくって得点力アップを図る。
写真=BBM