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セ・リーグ6球団、2020シーズン二番打者候補は?

 

読売ジャイアンツ



 昨季に引き続き、坂本勇人一択だ。「初回に2点以上を取る打線」を目指した原辰徳監督の秘策で、昨季はリーグ最多の663得点を挙げて5年ぶりに覇権奪回に成功した。ほかのメンバーの状況で坂本は一番や四番を打つこともあったが、117試合で二番を打ち、シーズントータルで打率.312、40本塁打、94打点。打撃3部門すべてで好成績を残し、一時は三冠王をうかがう勢いだった。初のリーグMVP獲得は当然で、今季もこの二番・坂本、三番・丸佳浩、四番・岡本和真は不動の並び。一番に吉川尚輝が復帰し、五番に新外国人のG.パーラを加えて、「初回に2点以上を取る打線」はより得点力がアップすることが期待されている。

横浜DeNAベイスターズ



 ラミレス監督はかねてから二番に強打者を置くランナップを組んできた。宮崎敏郎ソト、そして昨年は四番の筒香嘉智(現レイズ)を二番で起用するなど、独自のこだわりを持つ。今年は新助っ人のオースティンがその役割を担いそうだ。オープン戦では二番で4試合3本塁打と自慢の長打力を発揮。本人は「打順は気にしない。メンバー表に名前がある限りどこでもいい」と言うが、一番・神里和毅がつくったチャンスを広げ、さらに打線に勢いをもたらすにはうってつけの存在と言えよう。

阪神タイガース



 昨季の開幕スタメンで二番を務めた近本光司。しかし、一番に起用された木浪聖也が突如不振となり、近本が一番へ入り盗塁王にセ・リーグ新人安打記録を更新した。もともと矢野耀大監督は二番に左の好打者を置きたい構想があった。そこで今年こそ「二番・近本」で勝負を懸けていくのだ。キャンプ中の実戦からオープン戦にかけてスタメンの「二番」に近本の名前が入り続ける。一番やクリーンアップの名前が変わろうとも、そこは不変。矢野監督の強い意志が感じられる。足が速くゲッツーが少ないことに加え、広角に打て、パンチ力を持ち合わせた打撃。矢野監督は近本が二番で多くの攻撃バリエーションを作れると期待しており、それが可能な資質を持ち合わせている。今季の阪神打線の完全なるキーマンと言っていいだろう。

広島東洋カープ



 広島では、昨季も135試合で二番スタメンを務めた菊池涼介が今季も二番を務めるのは間違いないだろう。送りバントの確実性や、走者を動かしたときの対応能力は他の追随を許さず、かつ、今季は一番に田中広輔が復帰する可能性も高く、3連覇をけん引した「タナ・キク」の一・二番コンビの相性の部分を考えても、二番に菊池涼以外の選択肢はほぼ考えられないと言っていい。むしろ、菊池涼がほぼ出づっぱりになることが予想されるだけに、万一、菊池涼に不調や故障があったときにどうするか、ということのほうがチームにとっては課題。その場合は、安部友裕野間峻祥、代わりにセカンドに入る可能性のある曽根海成らが候補になってくるか。

中日ドラゴンズ



 リーグトップのチーム打率.263という数字を残しながら、同5位の563得点に終わった昨季。打線のつながりが課題とするチームは、新打線として「二番・高橋周平」をテストしている。2月23日に行われたDeNAとのオープン戦(北谷)では初回無死一塁から右翼線二塁打で好機を広げ、5回一死一塁では右翼席へ2ラン。さまざまな可能性を感じさせた。本人は「与えられたところでしっかり結果を出したい」とコメント。この新打線で念願のAクラス復帰を実現させたい。

東京ヤクルトスワローズ



 高津臣吾監督は、「送らないので、僕は」と積極的な攻撃を宣言している。指揮官が目指す野球を体現する二番には、山田哲人の起用が濃厚だ。昨季33本塁打、93打点をたたき出したバレンティンが今季、ソフトバンクへ移籍。戦力ダウンは免れないが、それを補うためには一発長打よりも、ヒットでつなぐ打線に転換する。“打てる・飛ばせる・走れる”の3拍子がそろった山田哲が二番に座れば初回、一番が一塁に出塁すれば一気に無死二、三塁とチャンス拡大、もしくは1点をもぎ取ることも可能だろう。“最強の二番”として、4度目のトリプルスリー達成も狙いながら、新ツバメ打線を引っ張る。

写真=BBM
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