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日本のプロ野球に「オープナー」は必要?

 

日本ハム・金子弌大


 既存の常識を打ち破る先駆者は成功しなければ、叩かれる傾向がある。昨年から「オープナー」を積極的に導入した日本ハムがそうだった。ネット上では、「先発陣は有原(有原航平)、金子(金子弌大)、バーヘイゲンマルティネス、村田(村田透)、杉浦(杉浦稔大)、加藤(加藤貴之)とコマはいる。復帰待ちの上沢(上沢直之)を入れれば十分戦えるし、普通のローテーションに戻してほしい」、「この作戦はある意味,弱者の戦法だと思う。極端なたとえだが有原級の投手が6人いたらやらないでしょう。まだシーズン前なのでキチッと戦力を整えて,正攻法な戦いを目指してほしい。シーズン中に故障や調子が落ちた投手がかさんでコマ不足の時期が生じたり、シリーズのような短期戦向けに実行する作戦だと思うが」などオープナーに懐疑的なコメントが目立つ。

 救援投手が先発登板し、短いイニングを投げた後に本来の先発投手がロングリリーフとして継投する「オープナー」。2018年にメジャー・リーグのタンパベイ・レイズが55試合で採用して話題となった。日本ハムは昨年、堀瑞輝、加藤貴之、金子弌大がオープナーとして起用されるケースが多かった。7月は月間成績16勝6敗と大きく勝ち越して首位に浮上。ところが、8月は5勝20敗1分と大きく負け越して優勝争いから脱落した。この数字だけで「オープナー」の成功を論じることはできないが、多くの救援投手を費やして疲労が蓄積し、夏場に息切れした感は否めない。結果論だが、8月以降も白星を重ねてリーグ優勝を飾っていれば、「オープナー」への見方は変わっていただろう。

 日本ハムは今季もオープナーを積極的に使うと見られる。日本ハムだけではない。先発のコマ不足に悩む他球団もこの動きに追随する可能性はある。長いペナントレースで救援陣の負担がかかるという課題をどう解消するか。また、頻繁な投手交代で「野球の流れを断ち切り、味方のリズムも崩れる」という指摘もある。オープナーは一過性の試みに終わるか。それとも日本野球に定着するか。今年のペナントレースを占う意味でも、重要な戦術になりそうだ。

写真=BBM
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