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新型コロナウイルス 各球団で外出禁止令も心配は「遠征の移動」

 

2月29日、無観客で行われた巨人ヤクルト戦(東京ドーム)


 新型コロナウイルスの感染が拡大している中、日本野球機構(NPB)とプロ野球12球団は2月26日にオープン戦を無観客で実施することを決定。オープン戦は無人のスタンドの中、連日開催されている。

 各球団は感染防止へ対策を講じている。スポーツ各紙の報道によると、巨人は3月2日から札幌、大阪、兵庫、福岡と続く10泊11日の遠征で、全選手に外出禁止を通達。DeNAも2日、監督や選手、チームスタッフに不要な外出を控えるよう通達したことを発表した。遠征時は原則外出禁止で、神奈川県横須賀市の選手寮で生活する寮生は原則的に全日外出禁止になるという。

 2月29日、3月1日の週末の外出自粛を要請する「緊急事態宣言」が発令された北海道に本拠地を置く日本ハムも、2月29日から選手、首脳陣に外出禁止を言い渡した。外出禁止期間は原則として自宅や寮と球場の往復だけに移動を制限。札幌市内の合宿所で生活している選手には夕食が用意されているが、今回の措置を受けて単身で生活している選手にも札幌ドームで夕食が用意されることになった。上記の3球団だけでなく、その他の球団も選手やスタッフに外出の自粛を通達するなど新型コロナウイルスの感染防止に細心の注意を払っている。

 神経を使うのは遠征の際の移動だ。日本ハム、ソフトバンク広島などはビジターの試合はすべて長距離移動となる。新幹線や飛行機で移動する際は閉鎖的な空間で他の一般客と2時間以上過ごすことも珍しくない。駅や空港は人の行き来が多く、不特定多数の人とすれ違っている。ある選手は「空港や駅のホームでファンの人たちにサインを求められるんですけど、今の状況だとちょっと自粛してほしいですね。遠征はチーム全体で少なくとも30人以上の集団で移動するので、1人の選手が感染すると広がる可能性がある。どんなに注意しても感染のリスクがゼロではないので怖いです」と不安を口にする。

 3月20日に予定されている開幕戦に向け、選手たちはグラウンド外の「見えない敵」にも神経を使って生活する日々が続きそうだ。

写真=BBM
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