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名球会入りの入会基準 通算100勝100セーブ、400本塁打も認めるべき?

 


 名球会入りは打者が通算2000安打、投手は通算200勝、250セーブが入会資格となっている。現時点では投手16名、野手47名と野手の数が投手の約3倍と圧倒的に多い。その中で、新しい条件として適用を望む声が上がっているのが投手の「100勝100セーブ」だ。

 先発は完投が求められていた時代と違い、現在は分業制が主流となっている。先発は5イニング投げて、6回以降は継投策の試合を見ることは珍しくない。救援陣の比重が高まり先発の白星が減っていることは、名球会の入会する数にも大きく影響している。2000年以降に入会したのは野手28人に対し、投手は7人。10年以降になると野手は17人に対し、投手は2人。10年に通算250セーブに到達した守護神の元中日岩瀬仁紀、16年に日米通算200勝を達成した元広島黒田博樹だけだった。

 現状の基準では救援投手が名球会に入るハードルは先発より厳しく感じる。昨季限りで現役引退した上原浩治投手が日本人史上初の日米通算100勝100セーブ100ホールドを達成したが、名球会入りしていない。また、先発と救援の両方で活躍した投手も現在の入会資格を満たすのは厳しい。「100勝100セーブは200勝と同じぐらいの価値がある」と指摘する声は多い。

 100勝100セーブを達成した選手はプロ野球史上8人しかいない。阪神、南海、広島、日本ハム西武で活躍した江夏豊が206勝193セーブ、元広島・大野豊が148勝138セーブ、元大洋・斉藤明夫が128勝133セーブ、元横浜(現DeNA)、メジャーで活躍した斎藤隆が日米通算112勝139セーブ、元阪神・山本和行が116勝130セーブ、元中日・郭源治が106勝116セーブ、元広島・佐々岡真司が138勝106セーブ、前出の上原浩治が134勝104セーブとクリアしている。このうち、名球会入りしているのは江夏氏のみだ。

阪神・田淵幸一


 また、打者では通算400本塁打以上も「2000安打より難しい」と指摘する声が現場では多い。通算400本塁打は過去に20人が達成しているが、このうち通算2000安打を打っていないため名球会入りしていないのは4人。元阪神、西武の田淵幸一が通算1532安打、474本塁打。近鉄などで活躍したタフィー・ローズが来日通算1792安打、464本塁打、元中日、楽天山崎武司が通算1834安打、403本塁打をマークした。現役では西武の中村剛也が通算1467安打、415本塁打。時代とともに野球も変化する。今後名球会入りの基準は変わっていくのだろうか。

写真=BBM
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