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パ・リーグ6球団 2020シーズンで最も期待値が高い若手は?

 

千葉ロッテマリーンズ



 高卒3年目、“未来の四番”を期待される安田尚憲にとっても正念場となる。「フォームが固まってきた」と春季キャンプでは快音を響かせていただが、オープン戦に入ってからは5試合で14打数1安打、打率.071と苦しい打席が続いている。鈴木大地楽天へ移籍したことでポジションは空いているとも言える状態。レアードがいる三塁はともかく、井上晴哉をDHへ追いやって一塁のポジションを獲得するには、とにかくバッティングで結果を残すしかない。チームにとっても実力でこの男がレギュラーを奪ってくれれば、打線の破壊力はさらに増すことになる。昨季、イースタンで2冠を獲得した打棒を発揮することはできるか。

福岡ソフトバンクホークス



 キャンプからケガ人が相次ぐ投手陣。先発は一応のところ、頭数はそろった形だが、リリーフ陣は昨季チーム最多65試合に甲斐野央を欠き、モイネロも東京五輪予選で開幕不在が決定している。不安を残す中で、救世主となりそうなのが、ドラフト3位ルーキー・津森宥紀だ。変則サイドスロー右腕は、3月9日時点で対外試合は4試合無失点と実戦に入って存在感を増してきた。特にランナーを背負っての場面で力を発揮。臆することなく向かっていける強心臓ぶりを、首脳陣も高く評価している。津森が掲げる目標は「60試合登板」。昨季の甲斐野の例があるだけに、開幕一軍をつかめば目標クリアも不可能ではない。

北海道日本ハムファイターズ



 期待の即戦力ルーキーがチームに新風を吹き込む。ドライチ左腕の河野竜生が開幕先発ローテーション入りに向け、猛アピールを続けている。直近の登板となった3月3日の巨人とのオープン戦(札幌ドーム)で先発マウンドに上がり、4回15人に対して1安打無失点の快投。しなやかな腕の振りからの150キロ近い真っすぐと、落差の大きいカーブ、チェンジアップなどを丹念にコーナーに集めて強力G打線を手玉に取った。それでも本人に笑顔はなく「次が悪かったら意味がない。今日のような状態を1年間保ちたい」と目指す高みは1年目からの先発ローテ入りと新人王。負けん気の強さも魅力な21歳のサウスポーが、4年ぶり覇権奪回のキーマンに躍り出る。

埼玉西武ライオンズ



 ドラフト2位左腕の評価が急上昇している。3月7日、広島とのオープン戦(マツダ広島)、6回から登板した浜屋将太は3イニングを2安打、1失点、6奪三振と好投。相手を圧倒する球威があるわけではないが、高い制球力を誇る直球とキレ味のあるスライダーのコンビネーションで打者を封じ込めた。マウンド上で慌てることなく、落ち着き払っている姿もルーキー離れしている点だ。「先発なら10勝、中継ぎなら50試合登板が目標」という浜屋。首脳陣は先発起用も視野に入れているが、20歳の新人左腕がシーズンでも大きな力となりそうだ。

東北楽天ゴールデンイーグルス


楽天・辰己涼介


 1年目の昨季から開幕一軍をつかみ一定の出場機会を得てはきたが、背番号8となり心機一転で迎える2年目の今季こそ、レギュラー完全定着を狙っている。外野の一角をめぐる争いは激しいものの、俊足と的確な判断力を生かした外野守備はチームでもトップクラス。何より計48盗塁だったチームにとっても、辰己のレギュラー定着がなれば機動力という新たな武器が手に入る。当然、求められるのは打撃力のアップ。チームの攻撃陣にスピードをもたらすことができれば、強力打線の攻撃はバリエーションが広がるはずだ。

オリックス・バファローズ



 育成から這い上がった漆原大晟が存在感を示している。一軍スタートとなった今春キャンプ中の2月20日に支配下登録。2ケタ番号「65」を勝ち取ると、オープン戦でも救援で4試合に登板して計3.1イニングを無失点と安定した投球を続ける。7日の巨人戦(京セラドーム)では同点とされた直後の6回表二死一、三塁のピンチでマウンドに上がって山本泰寛を遊ゴロに仕留める見事な火消し。最速150キロ超の直球と落差のあるフォークを武器に、昨季は1年目まがらウエスタン・リーグで23セーブを挙げてタイトルを獲得した23歳右腕が、ブルペンに欠かせぬ存在となりそうだ。

写真=BBM
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