週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

セ・リーグ6球団 2020シーズンで最も期待値が高い若手は?

 

読売ジャイアンツ



 昨季のペナントレース終盤で見せたパフォーマンスもあり、高卒2年目の戸郷翔征にはキャンプ前から山口俊(現ブルージェイズ)の穴を埋める存在と期待が掛けられていたが、プレシーズンを通して評価はうなぎのぼり。3月1日のヤクルトとのオープン戦(東京ドーム)では、先発して5回(69球)を被安打2、与四球1、「自分は三振を狙って取るタイプなので、それができて良かった」と6奪三振の見事な投球を見せた。何番手で投げるかまではほかの投手次第で流動的だが、先発ローテーション入りはほぼ確実。4月4日に20歳の誕生日を迎える右腕がどこまで白星を伸ばせるか。楽しみであると同時に、チームの浮沈のカギも握っている。

横浜DeNAベイスターズ



 ルーキー左腕・坂本裕哉、2年目のスラッガー・伊藤裕季也ら以上にDeNAで注目したいのが3年目の右腕・齋藤俊介だ。立大、JX-ENEOSを経てドラフト4位でDeNAに入団したのが2018年。しかし、1年目は右肩手術を行い実戦登板なしに終わった。2年目の昨季は7月にプロ初登板。9月には初先発も果たした。今季は中継ぎとしてキャンプから一軍に帯同。ここまでオープン戦3試合に登板して無失点、3セーブとやるべき仕事をこなしている。キャンプでの円陣では「開花宣言!」のネタで笑いをとるなどチームのムードメーカーでもある。中継ぎで貴重な戦力となりそうだ。

広島東洋カープ



 広島ではやはり、即戦力ルーキーの森下暢仁だ。3月8日の西武戦(マツダ広島)でも5回を3安打無失点、8奪三振の好投を見せ、開幕先発ローテーション入りを確実にしている。MAX150キロ超のストレートに威力があり、カーブやチェンジアップとの緩急差が生きる。これだけでもある程度ピッチングが成り立つうえに、制球のいいカットボールもあって、さまざまな攻め方ができるのが魅力だ。右打者のアウトコースを狙ったストレートが、逆球になって内角に行くケースが時折見られたが、現状、気になる課題はほぼそれだけ、と言っても過言ではない。「マツダ広島のマウンドは投げやすかった」と語っており、開幕シリーズでの先発の可能性も十分だ。

中日ドラゴンズ



 プロ2年目にして初めて一軍キャンプを完走。「いろんなことが見えたので90点」とキャンプを総括した。本職の内野だけでなく、外野守備の練習にも精を出した。「昨年と違った経験は自分のためになる」と、どん欲な姿勢を隠さない。それでも一、二軍の当落線上にいることに変わりはない。3月10、11日のオリックス2連戦(京セラドーム)が開幕一軍へ最後のアピールの場となりそうだ。「もともと、起爆剤という立場。インパクトを残せれば」。バットでその存在感をアピールして開幕一軍入りを果たし、2年目のブレークにつなげたい。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・吉田大成


 2年目の25歳、吉田大成が猛アピール中だ。オープン戦9打点はチームトップ(3月8日時点)。バッティングフォームは、メジャーでも活躍したヒットメーカー・青木宣親によく似ている。この青木スタイルを習得したことで、体の軸が安定するようになった。しっかりとバットを振り切り、パンチ力も生まれている。現在、ヤクルトは三塁、遊撃のレギュラーが不在。守備でも器用さを併せ持つ吉田成は、攻守で好成績を残しそうだ。まずは新助っ人のエスコバーや西浦直亨らとの定位置争いを制することができるか、注目される。

阪神タイガース


 オープン戦期間中、高卒ルーキーの野手陣が一軍の試合に出場し経験を積んだ。ドラフト2位の井上広大は3月8日の巨人戦(甲子園)で安打をマーク。だが、今季は二軍でしっかりと育成させていく方針で、高卒ルーキーたち以外に新しい選手は出てこないだろう。なぜなら金本知憲前監督と矢野耀大監督が積極的に若手を一軍で起用。ほとんどの選手たちが一軍を経験したこともあり、今季の最注目の若手は、強いてあげれば若手全員と言える。内野手では熊谷敬宥、外野手では島田海吏の一軍経験が少ないが、彼らが争うポジション自体が熾烈なため、そこに割って入ることは難しい状況ではある。今季は、矢野監督もある程度メンバーを固定した形で優勝を目指していく。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング