週刊ベースボールONLINE

編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

“らしさ”が光るソフトバンク選手会長・中村晃

 

今季から選手会長となった中村晃


 ファンがいないスタンド。無観客で行われているオープン戦にも、悲しいかな、徐々に慣れつつある。そんな中で、3月10日のソフトバンク巨人戦(PayPayドーム)。ちょっとした変化があった。

 ソフトバンクの選手がマウンドに上がる際、打席に立つ際に、登場曲が流れたのだ。おなじみの曲に、おッ! と思わされる新曲。ルーキーが登場する際は「どんな曲が流れるんだろう!?」と少し前のめりになった。そして、なによりグッと試合の雰囲気が引き締まったのを感じた。

 この粋な演出、仕掛け人となったのは中村晃だ。「試合の雰囲気を少しでも出せればと思って。静かな中でやるよりも、いいんじゃないかなと。選手側に聞いて、球団に掛け合いました」。7日のDeNA戦(横浜)でDeNA側が登場曲を使用していたこともあり、さっそく選手たちへ意見調査。球団側にお願いしたという。

 中村晃は今季から選手会長を務める。就任に際しては「あまり表に出ていくタイプではないんですけどね」と苦笑い。それでも、「誰でもできることではないので、やってみようと」と引き受けた理由を述べると、自らの役割を「“裏方”という感じ」と説明していた。プレーでも常にチームのことを考え、派手さよりも堅実さが目を引く“職人気質”。選手会長としての仕事のとらえ方も、実に中村晃らしかった。

 今回の件も、まさに“裏方”的な働き。腰の張りの影響で9、10日の試合を欠場した中村晃だったが、練習の陰で見せた積極的な行動は、チームへの思いが強く感じられる“グッジョブ”だった。

文=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング