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なぜ? セ・リーグでスラッガーが「育たない理由」とは

 

昨季、20本塁打以上の日本人選手は?


昨季、自己最高の40本塁打を放った坂本


 野球の醍醐味はホームランだ。ひと振りで試合をひっくり返すアーチに野球ファンは魅了される。昨年のパ・リーグを見ると、西武山川穂高が43本塁打で2年連続本塁打王、西武からFA移籍1年目の楽天浅村栄斗が33本塁打、西武・中村剛也ソフトバンク松田宣浩とともに36歳の両主砲が30本塁打とベテランも元気だ。一方、セ・リーグは巨人坂本勇人が遊撃手で史上2人目の40本塁打、ヤクルト村上宗隆がプロ2年目で36本塁打と大ブレーク。山田哲人も35本塁打、巨人・岡本和真が2年連続30本塁打を放った。

 以下は昨年両リーグの20本塁打以上を放った日本人選手たちだ。
※カッコ内は当時の所属

・パリーグ
山川穂高(西武)    43本塁打
浅村栄斗(楽天)    33本塁打
中村剛也(西武)    30本塁打
松田宣浩(ソフトバンク)30本塁打
吉田正尚オリックス) 29本塁打

外崎修汰(西武)    26本塁打
井上晴哉ロッテ)   24本塁打
中田翔日本ハム)   24本塁打
森友哉(西武)     23本塁打
秋山翔吾(西武)    20本塁打

大田泰示(日本ハム)  20本塁打

・セ・リーグ
坂本勇人(巨人)    40本塁打
村上宗隆(ヤクルト)  36本塁打
山田哲人(ヤクルト)  35本塁打
岡本和真(巨人)    31本塁打
筒香嘉智DeNA)    29本塁打

鈴木誠也広島)    28本塁打
丸佳浩(巨人)     27本塁打

 20本塁打以上打った選手はパ・リーグが11人、セ・リーグが7人。ソフトバンク・柳田悠岐は左ヒザ裏の肉離れでシーズンを長期離脱して7本塁打に終わったが、過去に30本塁打を3度クリアしている。


打撃フォームをいじらないパ


 セ・リーグは坂本、山田など中距離打者のイメージがあるが、パ・リーグの顔ぶれを見るとフルスイングが代名詞の選手たちが多い。西武は昨年5人が20本塁打以上を放っている。一方、中日阪神は20本塁打以上を放った日本人選手がゼロ。阪神は四番として期待された大山悠輔が14本塁打に終わり、中日は福田永将の18本塁打が最多だった。甲子園、ナゴヤドームと広い球場を本拠地にしている影響もあるのだろう。高校時代にスラッガーとして名を轟かせた平田良介高橋周平はともに中距離打者として打撃スタイルを確立している。

 だが、パ・リーグでスラッガーが育つ土壌は「球場の広さだけでない」と分析する声もある。セパ両リーグでコーチ経験のあるプロ野球OBは「柳田は入団当初からフルスイングしていたけど粗っぽくて空振りばっかりだった。山川もそう。入団したときからフリー打撃の飛距離はすごかったけど、一軍では全然打てなかった。でも首脳陣はメスを入れず、長期的な視点で育成した。入った球団が大きいと思います。浅村、柳田、山川がセ・リーグの球団に入団していたら打撃フォームをいじられて、これほどホームランを打てなかったと思います」と指摘する。スラッガーの才能が開花するかは、球団の育成能力も重要な要素になりそうだ。

写真=BBM
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