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覇権奪回を目指す広島、バティスタの穴埋めるキーマンは「2人のベテラン」

 


 大砲の穴は両ベテランが埋める。広島が3月2日、昨年ドーピング違反が発覚して日本野球機構(NPB)から6カ月間の出場停止処分を受けたサビエル・バティスタ外野手との契約を解除すること発表した。

 カープアカデミーから成り上がったバティスタは「生涯広島」で活躍してもらいたい選手だった。2016年に育成契約を結び、17年6月に支配下昇格とともに6年の大型契約を結んだのは球団の期待の高さの表れだった。18年に25本塁打、昨年は26本塁打をマーク。まだまだ成長過程だっただけに、昨年6月のドーピング検査で陽性反応を示したことが8月17日にNPBから発表され、広島は同日付で出場選手登録から外したのは残念だった。バティスタは意図的な摂取を否定し、来年以降も広島でプレーを続けることを熱望したが、故意でないと証明できない状況で厳しい立場に追い込まれた。広島の契約解除という決断は致し方ないだろう。

 バティスタはクリーンアップとして不可欠な存在だった。戦力ダウンは否めないが、新たな打線を構築するしかない。一番は遊撃の定位置を争う田中広輔、2年目の小園海斗、外野の野間峻祥で競争になりそうだ。二番は昨オフにメジャー挑戦を断念して残留した菊池涼介で確定。三番は昨年打率.297、16本塁打とブレークした西川龍馬の公算が高い。田中広輔の打撃不振で夏場以降は一番で打線を牽引したが、今年のオープン戦は三番でスタメン出場している。

 重要なのは不動の四番・鈴木誠也の後を打つ五番打者だ。昨年は固定できなかったため、鈴木が勝負させてもらえず歩かされ、後続の打者が凡退するケースが多かった。大誤算が松山竜平だった。7月中旬まで打率1割台の打撃不振。シーズン終盤に状態を上げたが、本来なら1年通して五番にどっしり座っていなければいけない。

 佐々岡真司新監督の下、松山もレギュラーの座を保証されていない。来日5年目のアレハンドロ・メヒア、新外国人のホセ・ピレラも有力候補だが、忘れてはいけないのは巨人からFA人的補償移籍2年目の長野久義だ。昨年はスタメンの打順別で五番は最多の13試合に出場したが打率.196、2本塁打と結果を残せなかった。まだまだ老け込むのは早い。実績十分の長野が稼働すれば得点力は大きく上がる。2年ぶりのリーグ優勝へ、松山と長野の「ベテランコンビ」の活躍が大きなカギを握りそうだ。

写真=BBM
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