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坂本、山田、高橋周、オースティン…今年のセリーグは「二番」がキーマン

 


 昨年に5年ぶりのリーグ優勝を飾った巨人原辰徳監督の決断で鮮やかにはまったのが、「二番・坂本勇人」だった。それまで一番、三番での起用が多かったが、広島から丸佳浩がFA移籍してきたため、打線の組み方が注目されていた。本来なら坂本が一番、丸が三番という打順の組み方がスタンダードだが、原監督は坂本を二番に据えることで、打線のつながりがガラッと変わった。二番に坂本を置くことで初回から大量得点を狙える。また、坂本との勝負を避けた場合に丸が控えているため、相手投手は簡単に歩かせることができない。「最強の二番」として、坂本は打率.312、40本塁打、94打点の活躍でMVPに輝いた。

 二番に小技などつなぎの役割を求めるのではなく、チャンスを拡大して時にはポイントゲッターの役割も求める。巨人だけではない。DeNAラミレス監督が不動の四番だった筒香嘉智(現レイズ)を7月中旬に二番に抜擢していた。
 
 メジャーでは「二番最強打者論」が席巻したが、日本のプロ野球も強打者を二番に据えるのがトレンドになりつつある。今年はオープン戦の戦いぶりを見ると、セリーグがその動きが顕著だ。ヤクルトは高津臣吾新監督が就任し、史上初の3度のトリプルスリーを達成した山田哲人を二番で起用している。山田は昨季一番で33試合、三番で98試合、四番で9試合にスタメン出場したが二番は一度もない。

 中日も昨季自身初のベストナイン、ゴールデン・グラブ賞とブレークした高橋周平を二番に据えている。高橋も昨年は114試合にスタメンに出場したが、二番は2試合のみ。ヤクルトも中日も打席数が多い二番に強打者を据え、切れ目のない打線で得点力アップを狙う意図が見える。

 DeNAはオープン戦で4本のアーチを放ち、評価を上げている新外国人のオースティンを二番に置いている。筒香は抜けたが、三番以降もソト、宮崎敏郎、ロペスと強打者が並ぶ。昨季は二番にソト、宮崎敏郎、梶谷隆幸佐野恵太石川雄洋など12人を起用して固定できなかった。オースティンが二番で機能するかがDeNA打線のカギを握りそうだ。

 広島は菊池涼介阪神近本光司が二番で起用される可能性が高い。不動の二番・菊池は打線の潤滑油になる存在だ。小技、エンドランなど器用にこなし、ツボにはまれば長打力もある。攻守に不可欠な存在だ。新人の昨年に大活躍した近本は一番で打線を牽引していたが、終盤から二番で起用された。36盗塁でタイトルを獲得した脚力は大きな魅力だ。15年ぶりのリーグ優勝へ、「2年目のジンクス」を打ち破る活躍が期待される。

写真=BBM
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